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男性も積極的に妊活を!

サウナや喫煙は×!?

じつは、不妊の原因の半数近くは男性にあります。しかし、厚生労働省研究班の調査によれば、不妊の原因を調べるため精液検査を受けた男性に検査の時期をたずねたところ、もっとも多かったのは「女性の検査が終わってから」という回答でした。つまり、不妊治療はまず女性が取り組むものという考えの男性が、まだまだ多いということです。男女が一緒に妊活に取り組み、必要なら早めに適切な不妊治療を受けるのが、よい結果をもたらす最善の道です。

◆1996年、WHO(世界保健機関)が実施した不妊症のカップル7,273組を対象とする調査によると、不妊症の41%は女性のみに原因があり、24%は男性のみ、24%は男女ともに、11%は不明という結果でした。少し古いデータですが、「男性のみ」「男女ともに」を合わせた約半数のケースで、不妊の原因は男性にもあるとわかります。

◆男性不妊の原因としては、まず、精液に精子が存在していない無精子症が挙げられます。そして、精子の数が極端に少ない乏精子症、動きの悪い精子が多い精子無力症といった精子の量や質に問題があるもの。さらに、性交がうまくいかないED(勃起障害)などです。

◆無精子症は大きくふたつに分けられます。ひとつは、精巣(睾丸)で精子はつくられているもののその通り道がふさがっているケース。もうひとつは、精巣でほとんど、あるいはまったく精子がつくられていないケースです。どの場合も、症状に合わせた適切な治療を受ければ、妊娠にいたる可能性はゼロではありません。

◆男性不妊患者のおよそ3割に見られ、乏精子症、精子無力症などの原因にもなるのが精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)です。これは、精巣の周りに血液が滞り静脈の瘤(こぶ)ができた状態のことで、精巣の温度を上昇させ精子をつくる働きを鈍くするなどの悪影響を及ぼします。多くの場合、自覚症状はありませんが、まれに陰嚢に違和感や鈍痛がある人もいます。

◆精索静脈瘤は、日帰りでも行える比較的負担の軽い手術で治療可能です。不妊の原因になるこうした疾患を早期に見つけるためにも、男性が検査を受けることは重要なのです。

◆なお、精巣は体温より2〜3度ほど低い温度のときがもっとも機能するため、妊活中はサウナや高温の風呂は避けたほうがいいでしょう。ノートパソコンを膝の上に置いての作業も、精巣付近を意外と高温にするので要注意です。

◆食生活では、亜鉛を多く含むカキやチーズ、ムチンを多く含むヤマイモや納豆といった精子をつくるのに役立つとされる栄養が豊富な食材を、意識的に摂取したいところ。逆に、ジャンクフードばかりの食生活や過度の飲酒は避けましょう。精子の質を低下させるといわれ、勃起不全につながることもある喫煙は、もちろんおすすめできません。

◆また、セックスレスやEDで不妊になっている場合、男性の心身のストレスが原因かもしれないので、生活スタイルや心の状態を見直してみるのも大事です。なお、EDについては現在、バイアグラなどのよい薬があり、多くのケースで治療可能になっています。

◆セックスの際、膣の中で射精ができない膣内射精障害の男性は、心理的な原因のほかに、マスターベーションの方法に問題がある場合も。膣に挿入する感覚とは大きく異なる刺激で射精にいたる癖がついてしまい、膣の中では射精できなくなるのです。こうしたケースの治療は簡単ではありません。心当たりがある男性は、すぐに正しいマスターベーションを行うようにしましょう。

◆男性不妊の検査は、泌尿器科、もしくは男性不妊も扱う不妊専門クリニックで受けることができます。最近では女性患者と入り口を別にしたクリニックなどもあるようです。受診する医療機関は、パートナーとよく話し合って選んでください。

◆検査の前に「自分の精子の有無や運動性を知りたい」という男性は、簡単にセルフチェック可能なキットがあるので、利用してみてもいいでしょう。スマートフォンなどを使い精子を観察できるもので、インターネット通販などで入手可能です。結果はあくまで参考程度のものですが、精子のリアルな状態を自分の目で観察する体験は、男性が妊娠や不妊を自分のこととして考えるきっかけになるかもしれません。

◆どうしても病院での検査に抵抗があるなら、郵送した精子を診断してくれる検査機関を利用するのもひとつの方法です。しかし、機関によって信頼性や価格、サービス内容もまちまちですから、しっかりと情報収集し、納得したうえで利用しましょう。

(監修:中村クリニック院長 中村理英子/2016年11月24日)

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