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不妊治療を始めるとき、やめるとき

気持ちの整理をつけるためには

2016年4月より不妊治療への助成の対象範囲が変更となり、年齢制限が設けられました。治療の開始と中止のタイミングを判断するポイントとなりそうです。

◆特定不妊治療(体外受精および顕微授精)の助成金の新制度において、妻が39歳以下の場合は43歳まで通算6回、40〜42歳の場合は43歳まで通算3回の助成が行われることになりました。なお、43歳以上は対象外です。

◆それ以前の制度では年齢制限がありませんでした。しかし、高齢になるほど妊娠率が低下することは明らかとなっています。より成果の得られやすい年代に、助成金を集中させようという考えに基づいて変更されました。なかでも体外受精は1回数十万円かかります。いずれ妊娠を希望するなら助成金をもらえるうちにと、早めにスタートする動機づけになることが期待されています。

◆都心の不妊治療外来には、初診で40歳を超えているケースが多いといわれます。しかし、助成金の新制度を考慮すると、30代のうちに受診したほうがよいことになります。若ければ若いほど金銭的に負担が軽くなるだけでなく、治療の成果も出やすいからです。

◆結婚後、通常の性生活を送っている夫婦の場合、1年以内に妊娠する割合は約80%、2年以内は約90%といわれます。不妊とは、ある一定期間、妊娠を希望している男女が避妊せず性交渉を行っているにもかかわらず妊娠しないことをいいますが、2015年、日本産科婦人科学会は、この一定期間を「2年」から「1年」へ変更しました。最近は晩産化が進んでいることもあり、少しでも早く不妊治療の開始につなげるためです。

◆しかし、不妊治療を始めたとしても、なかなか結果が出ない場合もあります。どこで区切りをつけるのかが大きな課題とされています。かなり高齢でも妊娠したケースもないわけではありません。わずかな可能性でも残っている限り、あきらめられないという人も多いようです。

◆新制度に年齢制限が導入されたことで、治療中止のタイミングをよりシビアに考えるきっかけができたといえます。助成金が出なくなれば、当然その分の費用負担が生じるので、一つの区切りとして考えることもできるでしょう。

◆とはいえ、妊娠・出産をあきらめるのは、そう簡単なことではありません。「治療で時間とお金をかけ、そのうえたくさんの苦痛も味わったのに…」と考えてしまうと、心身ともにつらい気持ちになってしまいます。

◆今後の人生をよりよく生きるためにも、専門のカウンセラーに相談するのもよいでしょう。最近は不妊治療から卒業するためのセミナーやカウンセリングを行っているクリニックもあるようです。「不妊治療を受けたことで、お互いを思いやる気持ちが生まれた」など、前向きに考えることができるようサポートしています。

(監修:中村クリニック院長 中村理英子/2016年12月20日)

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