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勉強するとやせる?やせない?

意外に多い脳のエネルギー消費量

「頭を使うとやせる」「勉強でダイエットできる」などの話題がまことしやかに囁かれています。でも、それって本当のことなのでしょうか? 脳のエネルギー消費について調べてみました。

◆集中して勉強したり、レポートを仕上げたりすると、運動したときと同じくらい、あるいはそれ以上に疲れたと感じることがあります。運動をしなくても、勉強をしたり集中したりして脳をフル回転させると、当然ですがエネルギーが消費されています。

◆実は脳は常に多くのカロリーを消費する臓器で、その量は摂取する全エネルギーの20%程度を占めるといわれます。大人の脳の重量は1200〜1500g位で体重の2%ほど。脳はその重量の割にたくさんのエネルギーを使っているといえます。

◆脳でのエネルギー消費はわかっていますが、筋肉での消費のようには測定する方法がないことから、細かな点はわからないのが実情です。

◆私たちが1日に必要なエネルギー量は、18〜29歳で身体活動レベルが普通の場合、男性では2650kcal、女性は1950kcalです(厚生労働省「日本人の食事摂取基準」2015年版)。その20%ですから、脳は1日に男性で約530kcal、女性では約390kcalを必要とする計算になります。

◆また、何もしないでも、生命を維持するためにはエネルギーが必要です。このエネルギー量が「基礎代謝量」。18〜29歳で体重63.2kgの男性の基礎代謝量は、1日1520kcal(「日本人の食事摂取基準」2015年版)が目安とされています。この場合の20%とすれば、脳は304kcalを消費することになります。

◆勉強や仕事で脳をフル稼働させている状態は、自律神経系の交感神経と副交感神経のうち、交感神経が優位になっている状態です。交感神経は心身を活発に活動させる時に働く神経で、心拍を速くして血流を促したり、血圧を上昇させるなど、全身を覚醒・活動モードにさせる神経です。

◆交感神経が活発に働けば消費エネルギーは増えますが、一方で交感神経が優位な状態は緊張してストレスも大きくなるため、ずっとその状態を続けることはできません。やがて集中力は低下し、脳は休息を求めてきます。つまり、エネルギー消費が増え続けるわけではないのです。

◆そのほか、脳と食欲の関係では、よく考えたり集中したりして脳を使うと脳内の血流の高まりがストレスとなって、摂食中枢を抑制することなども考えられます。何時間も食べずにいてもあまりおなかがすいた感じがしなかったり、食欲がなくなったりしたことを経験したことがある人も少なくないのではないでしょうか。

◆結論として、頭を使うことが、そのままダイエットにつながるわけではありませんが、食べる量が抑制されたり、脳の活発な活動で一定のカロリーが消費されることは十分考えられます。ちなみに、この大食漢ともいえる脳の活動に使われる栄養は「ブドウ糖」。頭をフル稼働させると甘いものが欲しくなること、例として勉強中にお菓子を食べたくなる人がありますが、これはある意味、自然な現象といえそうです。

◆脳での消費はブドウ糖ですから、脂肪やたんぱく質を減らす通常の運動とは異なりますので、ダイエットには難しそうです。

◆砂糖はブドウ糖と果糖が結合した二糖類なので分解吸収が速くエネルギー源として即効性に優れています。ただし、勉強やデスクワークなどで脳のブドウ糖が消費されるからといって甘いものを一度に摂りすぎると、簡単に消費を上回ってしまいます。余った糖は、「脂肪」として体内に蓄積されてしまうことにも気をつけましょう。

(監修:寺本神経内科クリニック院長 寺本純/2017年5月31日)

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