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性犯罪が厳罰化へ

自分を責めずに相談を!

2017年6月、性犯罪について厳罰化する改正刑法が国会で成立しました。1907年(明治40年)の刑法制定以来の大きな改訂になります。

◆性犯罪について、厳罰化する改正刑法が2017年6月に国会で成立、7月より施行されることになりました。これまでの強姦罪が「強制性交等罪」に改められたほか、法定刑が懲役3年以上から「懲役5年以上」に引き上げられ、強制わいせつ罪とともに、「性交に類似する行為」も対象に含め、被害者からの告訴がなくても立件できるようになりました。

◆これまでは泣き寝入りが多かったといわれる親や血縁者などからの被害についても、「監護者わいせつ罪」「監護者性交等罪」が設けられ、加害者の「暴行や脅迫」が成立の条件にはならず、処罰されるようになります。また、女性のみを被害者としてきた現行法が改められ、男性の被害も立件、処罰することが可能になります。

◆性暴力というとレイプを思い浮かべますが、体を触られる、いやらしい言葉を浴びせられる、裸の写真を撮られたり見せられたりするなど、望まない性的行為や働きかけはすべて性暴力にあたります。被害にあっても人に言えず一人で悩む人が多いようです。

◆警察庁の統計によると、2015年の強姦件数は1167件、強制わいせつは6755件にのぼります。性暴力の被害にあっても、誰にも相談できない人が多いことを考えると、この何倍もの人が何らかの被害にあっていると考えられます。

◆加害者は被害者の知らない人とは限りません。親や兄弟、親せきなど身近な人から望まない性行為を強要されるのも性暴力にあたります。夫婦間レイプという場合もあり、上司と部下、先輩と後輩、指導者と生徒といった力関係を背景に行われる強要もあります。

◆性暴力の被害者になると、自尊心が傷つけられ、何年たっても苦しい気持ちが消えず、心身ともに大きなダメージを受けることが少なくありません。人間不信や自信喪失を招いたり、不眠や過呼吸、摂食障害、抑うつ感、ときには自傷行為などにつながる場合もあります。

◆「被害を受けたのは自分に落ち度があったからではないか」などと自分を責める人が多いようですが、性暴力という卑劣な行為をしたのはあくまで加害者です。また、暴力被害の内容はどんなものであれ、「人と比べて大したことがない」などと思う必要もありません。被害にあった人が、恐怖心や嫌悪感を抱けば、それは性暴力といえます。

◆レイプなどの被害にあった場合、性感染症や妊娠などの心配もあります。少しでも早く病院で診察を受けることが必要です。妊娠の可能性がある場合には、被害を受けたあと72時間以内であれば緊急避妊法といって、ホルモン剤を服用するだけで高い確率で妊娠を防ぐ方法もあります。

◆日本産婦人科医会では性犯罪被害者対応マニュアルをつくって、被害にあった人が受診した際に適切に対処できるよう対策を講じています。また、近年は性暴力被害にあった人のための24時間のホットラインや相談窓口があります。カウンセラー、医師、警察、弁護士など必要とされる機関との連絡を1つの窓口から引き受けてくれるワンストップ支援センターも主要都市を中心に増えています。

◆もし、身近な人が性暴力の被害にあって、相談を受けた場合、不用意に責めるようなことは口にしないよう気をつけたいものです。「なんでそんなところに行ったの?」「お酒を断れなかったの?」などの言葉は、被害者を責めることにつながり、深く傷つけてしまいます。

◆どんな励ましの言葉も、意図とは別に被害者の気持ちを逆なでする可能性があります。言葉をかけるより、むしろ本人の言うことに真剣に耳を傾け、何をしてほしいのか聞きましょう。ただ、そばに寄り添っているだけで十分なことも多いものです。

(監修:よしの女性診療所所長 吉野一枝/2017年7月4日)

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