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練習のしすぎ?オーバートレーニング症候群

運動部の中高生にも危険が

スポーツ選手の不調の原因として「オーバートレーニング症候群」という言葉をよく耳にします。トップアスリートだけではなく、部活動でスポーツに取り組む学生などにもみられます。どのような状態のことなのでしょう。

◆オーバートレーニング症候群とは、スポーツのトレーニングによる負荷が休養の不足などによって、十分に回復しないまま積み重なり引き起こされる慢性疲労状態のことです。

◆初期の段階では、これといった理由がないのに競技成績やパフォーマンスが低下し、体がだるい、疲れが抜けないといった感覚を覚えたりします。さらに悪化すると、睡眠障害、集中力の低下、動悸、息切れ、抑うつなどの症状があらわれ、トレーニング自体が難しくなります。

◆重症になると、日常生活に支障をきたすほどの倦怠感におそわれ、不安や抑うつが強くなり、入院が必要になることも。競技からの長期離脱を余儀なくされ、なかにはそのまま引退に追い込まれる選手もいます。

◆原因と考えられているのは、過剰な肉体的、精神的ストレスによって脳の視床下部や下垂体から分泌されるホルモンのバランスが崩れること。上記のような症状がみられ、貧血、肝機能障害などほかの要因が否定された場合、オーバートレーニング症候群である可能性が高まります。

◆診断の目安のひとつは、朝起きたときの心拍数です。体に疲労が蓄積していると、起床時の心拍数が増加するからです。また、POMS(気分・感情の状態を評価)などの心理テストも、患者の発見に用いられています。

◆オーバートレーニング症候群から脱するには、症状が治まるまで心身をしっかりと休める必要があります。睡眠障害やうつ症状に対して、必要な場合は薬物療法も行われます。そしてトレーニング再開後は、無理なく時間をかけて元のレベルに近づいていくことが肝要です。

◆なお、オーバートレーニング症候群は一部のトップアスリートの問題ではなく、中学、高校で運動部に所属する生徒や、市民ランナーなども陥ることがあります。特別に厳しい練習ではなくても、そのときの体の状態に対して過剰なら、練習で負ったダメージに回復が追い付かず、疲労が蓄積されてしまうからです。

◆とくに、中高生の選手は、体力差のある上級生と同じ練習メニューをこなす中でオーバートレーニング症候群となり、競技から離れてしまったり、学校自体に足が向かなくなったりするケースもあるようです。体力に見合ったトレーニングか、休養は十分か、指導者をはじめ周りの大人が常に気を付けてあげるべきでしょう。

(監修:あそうクリニック院長 麻生伸一/2017年7月14日)

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