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突然の胸の痛み、たこつぼ型心筋症

発作が起こったらすぐに受診、要安静を保って

心筋梗塞のような発作を起こす「たこつぼ型心筋症」は、閉経後の女性に多い病気です。原因には、精神的・肉体的ストレスなどが挙げられますが、特定はされていません。一過性のことが多いですが、大事に至らないよう、しっかりと入院・加療することが大切です。

◆「たこつぼ型心筋症」は、名前こそいささかユーモラスに感じますが、突然の胸の痛みや呼吸困難、胸部の不快感、血圧低下など狭心症や心筋梗塞のような症状をもたらす侮れない病気です。心血管障害を疑って、心電図や血管造影、心エコーといった検査をしても、冠動脈などの血管に異常は見当たりません。異常があるのは、心臓の左心室の動きです。

◆この病気は、左心室の下部(心尖部=しんせんぶ)が拍動しても収縮せずに膨らんだままで、たこつぼのような形になることから「たこつぼ型心筋症」と名付けられました。収縮しない部分があるので心臓のポンプ機能が低下し、一時的に血流が滞ってさまざまな症状が現れます。

◆たこつぼ型心筋症は、1990年に日本で初めて報告されました。そのため、英語の表記でも“Takotsubo(たこつぼ)”という単語がそのまま使われています。患者の多くは閉経後の女性で、男女比は1:7という報告もあります。

◆病態はまだ明らかになっていません。新潟中越地震のあと、震源に近い病院で患者が急増したことなどから、精神的・身体的ストレスが誘因として挙げられます。ストレス下で優位になる交感神経が過剰に反応して増加するカテコラミンというホルモンが関係しているのではないかと疑われています。

◆しかし、ストレスがない状態で発症するケースも決して少なくありません。また、閉経後の女性に多いことから、女性ホルモンの関与も考えられます。認識されてから日の浅い病気なので、まだ不明なことが多いのです。

◆発作が起こったら、すぐに受診しましょう。入院して安静を保ち、心拍や血圧などの管理を行いながら薬で心不全に移行させないための治療を行います。診断がつくまでは心筋梗塞などのさらに重篤な病気の可能性もあるので、慎重に治療にあたります。

◆自然に治癒する場合もありますが、なかには急性心不全や心原性ショックを起こすケースもあるので油断は禁物です。一度発作を起こしたら「次にストレスを受けたとき再発するのでは」と心配になりますが、現在のところ再発は少なく、予後の良い病気と考えられています。

◆必要以上に神経質になることは、それ自体がストレスになってしまいます。発作を一つのきっかけと考えて、高血圧や糖尿病、肥満などの生活習慣病を予防・改善しながら、心臓にやさしい生活に切り替えてみましょう。

◆ストレスの原因に心当たりがある場合は、環境の改善、人間関係の見直し、心理カウンセリングなどによる心の整理や健康的なライフスタイルづくりに取り組んでみることをおすすめします。とくに女性の閉経期は肉体的変化が大きく、また職業や家族関係などでも節目が訪れる時期。早めにストレス対策をしておくとよいかもしれません 。

(監修:東京医科大学病院 総合診療科准教授 原田芳巳/2017年7月28日)

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