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極小のマシンでがんを治療?

副作用の問題を解決か

ナノテクノロジーという言葉を聞いたことがあるでしょうか。ナノとは長さの単位で、1ナノメートルは100万分の1mmの長さです。電子顕微鏡でしか確認できないウイルスなどと同じくらいの極小世界における技術を、医療の分野に生かす試みが始まっています。

◆ナノマシンは目に見えない極小サイズのマシンのこと。そのなかにがんの治療薬を仕込んで体内に送り込み、がん細胞を攻撃、死滅させるというナノテクノロジーが、実用化に向けて準備されています。

◆マシンといってもロボットのような機械ではなく、注射によって投与される目に見えないぐらい小さなカプセルのようなものを想像するとわかりやすいでしょう。抗がん剤が入ったナノマシンが体内をめぐり、がん細胞に遭遇すると内部に侵入し、薬剤が働くようにプログラムされています。

◆ナノマシンを形成するのは、高分子ミセルというパーツのようなもの。水に溶けやすい親水性の部分と水に溶けにくい疎水性の部分を併せ持っています。抗がん剤をつないだ疎水性の部分を水のなかに入れると、水分を避けて中心に集まるので、周囲が親水性の部分で囲まれた2層構造のかたまりになります。

◆親水性の部分は生体の拒否反応を受けない性質があり、そのため正常な細胞は傷つけずに血流に乗って体をめぐることができます。

◆正常な細胞とがん細胞を区別する仕組みは、細胞組織の違いです。血管の細胞には酸素や栄養を取り込むための隙間がありますが、ナノマシンはこの隙間を通り抜けることができません。しかし、がんによる腫瘍周辺の血管の細胞は、組織が言わば荒くなっているので、細胞内へ侵入できるのです。

◆抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも入り込んで作用してしまうため、強い副作用の問題が避けて通れませんでした。しかし、ナノマシンを使えば、がん細胞を目指して薬剤が届けられるようになります。

◆この技術は、薬剤の到達が難しかったがんや薬剤に耐性を持ってしまったがんなどの治療に生かすことができます。また、個々のがん細胞に合わせた大きさのナノマシンを作ることで標的を絞った治療が可能になるなど、今後の研究に期待が高まっています。

◆さらに、ナノマシン自体に増殖機能を持たせることができれば、がん細胞など敵の増殖にも対応できるだけでなく、治療の回数を減らすなど体への負担や経済的負担の軽減なども期待されています。

◆ただし、ナノマシンに突発的な事態が発生する可能性など、使用に伴うリスクをどう回避・予防していくか、課題も残されています。

(監修:東京医科大学病院 総合診療科准教授 原田芳巳/2017年9月19日)

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