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エイズは薬の進歩でコントロール可能に

まずは感染を防ぐこと!

かつて、エイズは死を覚悟せざるを得ない病気でした。しかし、近年は薬の研究開発が目覚ましく進み、エイズを引き起こすHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染しても発病を抑えることが可能となり、たとえ発病しても症状をコントロールして感染前と変わらない生活ができるまでになっています。

◆平成27年度の報告によると、日本国内で新たに報告されたHIV感染者の数は1006人で、エイズ患者は428人。ここ数年、新たな患者数の報告は横ばい状態ですが、それでも毎年1000人を超えており、HIV感染者とエイズ患者を合わせると累積でおよそ2万6000人になります。

◆感染経路は性的接触が圧倒的に多く、全体の88.2%(887件)を占めています。このうち異性間が196件で、同性間は691件。性的接触による感染のなかで、異性間の割合は前年の18.5%から22.1%に増えています。

◆HIVに感染しても、すぐにエイズを発症するわけではありません。ウイルスが急増する感染初期、ウイルスが一旦減る無症状期を経てエイズ発症となりますが、無症状期は数年から十数年と個人差があります。もちろん、その間も別の人に感染させる危険性はあるので、できるだけ早く感染に気付くことが本人と社会両方にとって望ましいのです。

◆感染初期は40度前後の発熱やのどの痛み、筋肉痛などがみられたりしますが、数日から数週間で症状が治まるため、かぜやインフルエンザにかかったと思い放置してしまうことも多いようです。また、こうした初期症状が出ないこともあるので、思い当たることがあれば、早期発見のためぜひ検査を受けてください。

◆治療には、ウイルスの増殖を抑える抗HIV薬が用いられます。以前は強い副作用などもあり、早い時期からの治療に慎重な考え方もありましたが、近年は薬の開発の進歩が目覚ましく、合併症の減少など早期治療の利点も明らかになってきたことから、早めに治療を始めるケースが増えています。

◆そして、3〜4種類の薬剤を組み合わせることで劇的に治療効果が上がるとわかってから、エイズを発症した患者であっても予後が大きく改善され、発症前とほとんど変わらない生活も可能になりました。

◆また、かつては治療薬を1日に複数回、大量に飲む必要がありましたが、現在は数種類の薬剤が配合された薬を1日に1錠飲むだけでよいという患者も少なくありません。さらに今後は、月に1度注射をするだけ、1週間に薬を1錠飲むだけという治療が可能になると言われています。

◆HIVは通常の日常生活で感染することはありません。主に血液、精液、腟分泌液を介して感染しますが、もっとも多いのは感染者との性行為での感染です。腟性交だけでなく、口腔性交、肛門性交でも感染します。

◆感染を防ぐためには安全なセックスを心がけることが何より。性行為は感染していないと確認できているパートナーとのみ行い、不特定多数との性行為を避ける、感染しているかわからない相手とのセックスにはコンドームを正しく使う、などがポイントです。

◆性的接触による感染のほかに、分娩時、授乳時などに起こる母子感染もあります。日本では妊婦健診の血液検査でHIV感染の有無を調べるので、妊娠した際は必ず健診を受けましょう。母親の感染がわかった場合、しっかり対策をすることで赤ちゃんへの感染はほとんど防ぐことができます。

◆もし、自分がHIVに感染しているとわかったら、まずは告知を受けた医師に相談してください。さらに、医療機関や保健所などで専門家のカウンセリングを受け、今後の治療や生活についてアドバイスを受けるとよいでしょう。

(監修:東京医科大学病院 総合診療科准教授 原田芳巳/2017年10月2日)

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