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自宅でできる腹膜透析とは

いくつかの方法を使い分けることも

日本で透析療法を受けている人は32万人を超え、糖尿病により腎不全となる人の増加や高齢化の進む影響で、年々増えています。現在、透析の方法は大きく2つあります。血液透析と腹膜透析(PD)があります。今回はあまり知られていない腹膜透析について紹介しましょう。

◆腎臓の機能が失われ、薬などでは回復が見込めなくなると(末期腎不全)、体内の老廃物や塩分、水分などの排せつ・調節ができなくなり、生命に関わります。そのため、誰かの腎臓を移植するか、生涯にわたって定期的な透析が必要です。

◆現在、腎臓移植を行える人は1割未満で、9割以上の患者さんは透析となります。今では透析のシステムや技術が進み、25年以上も透析を続けながら日常生活を送る人も増えています。

◆血液透析は、週に2〜3回病院に通い、1回数時間をかけて全身の血液をろ過器に通してきれいにする方法です。たいてい手首に近い前腕の血管にシャントと呼ばれる出入り口を作り、毎回そこに針状の管を入れて血液を出し入れします。

◆一方の腹膜透析は、本人や家族が自宅で行える方法で、腹腔内に透析液を一定時間入れておき、そこに血液中の老廃物や塩分、余剰の水分などを移動させます。十分に集まったところで透析液を体外に排出させて体内を浄化する方法です。

◆腹膜は、胃、腸、肝臓などの内臓の表面とおなかの内側の壁(腹壁)を覆っている膜のこと。この膜の内側の空間を腹腔(ふくくう)といいます。腹膜透析では、この腹腔に透析液を入れます。あらかじめカテーテルという透析液の出入り口となるチューブをおなかに埋め込む手術が必要です。

◆あとは自分の腹膜にろ過装置の役目をさせて、全身から水分とともに尿毒素などの老廃物が透析液に集められます。その際にミネラルや水分の調節も行って、汚れた透析液を対外に排出させる仕組みです。

◆腹膜透析にはCAPD(連続携行式腹膜透析)とAPD(自動腹膜透析)の2タイプがあります。CAPDは1日3〜5回、1回30分程度の時間をかけて新しいきれいな透析液と、体内の老廃物を集めた古い透析液の交換をします。一方のAPDは、毎晩寝ている間に自動的に透析液の交換を行うもので、仕事をもつ人を中心に、腹膜透析患者の約4割が行っている治療法です。必要に応じて、両方を併用することもあります。

◆透析療法は、病状や生活環境に応じて、どの方法が適切かを医師と相談して選択します。いずれも正しく続ければ、通学や通勤などの社会生活、一般の家庭生活を送ることができます。塩分や水分など多少の食事制限はありますが、外食や旅行を楽しんだり、趣味やスポーツなどで活動的な日常を送ることも可能です。また、医療費は公的に助成されます。

◆腹膜透析は、残った腎臓の機能が保持されやすく、血液透析に比べて疲労感や負担は少ない方法です。しかし、数年すると徐々に腹膜が劣化するため、持続年数は7年以内が望ましいといわれています。腹膜透析を一定期間経験してから、血液透析に移行する人や腹膜透析と血液透析を併用する人もいます。

◆現在は、糖尿病の合併症である糖尿病腎症など、慢性腎臓病(CKD)になる人が増えています。成人の8人に1人、1300万人以上に慢性腎臓病の疑いがあるとの推計もあり、ひとごととは言っていられません。過労や食生活の乱れが知らず知らずのうちに腎臓に負担を強いています。一日も休まず動いてくれている自分の臓器、あまり無理をさせず、長く大切にしていきましょう。

(監修:虎の門病院 内分泌代謝科医長 宮川めぐみ/2017年10月4日)

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