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多剤併用による弊害「ポリファーマシー」

多すぎる薬は弊害も

いくつも持病があると、それに伴って薬の種類も増えていきます。あちこちの医療機関で薬を処方され、気がついたら飲みきれないほどになってしまったということも。薬が増えることで、かえって健康を害する「ポリファーマシー」とは?

◆ポリファーマシーとは、たくさんの種類の薬を併用することによって、副作用や相互作用など何らかの弊害が生じた状態のことをいいます。

◆5種類以上の薬を併用していると転倒リスクが増える、6種類以上の薬を併用していると有害事象が生じやすい、などの報告から、5〜6種類以上がポリファーマシーの目安とされています。

◆とくに高齢になると、いくつもの病気を抱え、複数の医療機関を受診する人が増えてきます。眼科の薬、皮膚科の薬、内科の薬……などとあちこちの医療機関で薬を処方され、結果的に1日に飲む薬の数がどんどん増えてしまうといったことは、よくあります。

◆最近では、お薬手帳で薬剤を一元管理しようという工夫やかかりつけ薬局の導入も進められていますが、全体的には十分に活用できているとは言えません。

◆各医療機関では、患者が訴える症状に応じて薬が処方されるため、たとえその症状が薬の副作用によって起こっていたとしても、気づかずに更に薬を増やしてしまうといったことも起こり得ます。

◆他の診療科の医師が、自分の専門外の薬について、必要性を判断し中止することは難しいということも、ポリファーマシーの原因になっています。

◆ある調査によれば、複数の医療機関から10種類以上の薬を処方されている人は、65〜74歳の前期高齢者の11.7%、75歳以上の後期高齢者では27.3%に上ることがわかっています。

◆多剤併用をすれば、それだけ副作用が起こる可能性も高くなり、薬同士の相互作用のリスクも増えていきます。

◆とくに高齢者では、内臓の働きが低下して、薬の代謝がスムーズにいかない可能性もあります。成人のデータをもとに行われた臨床試験を、そのまま機能の低下した高齢者にあてはめてよいかという疑問も残ります。

◆薬が多すぎると自分で管理することが困難になり、かえって飲み忘れや飲みすぎが生じやすくなるという問題もあります。

◆厚生労働省では今年度から高齢者医薬品適正使用検討会を発足し、ポリファーマシー対策について国を挙げて取り組む方針を示しています。

◆ポリファーマシーを防ぐためには、調剤薬局の薬剤師の役割が期待されていますが、まず多剤併用の情報をもっているのは患者本人や家族です。健康を守るためには、自分や家族がどんな薬をどの程度飲んでいるのかを正確に把握し、それを薬剤師に伝えることが重要です。

◆お薬手帳は1冊にまとめ、調剤薬局に行くときは忘れずに持参するよう心掛けましょう。また、医療機関を受診するときは、他にどんな診療科にかかりどんな薬を処方されているのかを伝えるようにしてください。

◆多剤併用の中で、どうしても必要な薬、必ずしも必要ではない薬を仕分けることができれば、薬を飲むのも楽になり、副作用のリスクも軽減されます。患者サイドでも、たくさん薬を処方されないと治療した気にならないという意識をもたないようにすることが大切です。

(監修:東京医科大学病院 総合診療科准教授 原田芳巳/2017年10月10日)

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