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糖尿病の「境界型」は大丈夫ではない!?

境界型はすぐに対処を

糖尿病の検査でいわばグレーゾーンである「境界型」に入る人は、ただちに対応が必要です。糖尿病になってから節制するのではなく、今日から血糖値を下げる生活改善を始めましょう。

◆平成26年の厚労省の患者調査では、糖尿病患者数は316万6000人。これは治療を受けている人の数で、予備軍も含めると3000万人とも4000万人ともいわれます。

◆糖尿病(U型糖尿病)には、遺伝的な要素が発症にかかわる面もありますが、患者の多くにとっては、生活習慣がもっとも大きなファクターであると考えられています。つまり、だれでも糖尿病にかかるリスクがあるのです。

◆糖尿病の検査では、まず血液検査がおこなわれます。おもに次の3つの方法があります。(1)〜(3)のどれか一つだけでも該当したら「糖尿病型」と診断されます。
(1)随時血糖検査…食後からの時間を決めずにおこなう検査。血糖値200mg/dL以上は「糖尿病型」。
(2)早朝空腹時血糖検査…検査日の朝食を抜いて採血。血糖値126mg/dL以上は「糖尿病型」。
(3)75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)…検査日の朝食まで10時間以上絶食して採血して血糖値を測定。次にブドウ糖液を飲んでブドウ糖負荷をかけた30分後、1時間後、2時間後に採血し、測定する。2時間値が血糖値200mg/dL以上は「糖尿病型」。

◆「糖尿病型」という言い方をしているのは、1回の検査では診断がつけられないためです。糖尿病型と判定されたら、別の日にもう一度検査して、やはり糖尿病型と診断されたら、「糖尿病」と確定されます。

◆(1)〜(3)の検査値に加えて、(4)血中のHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)が6.5%以上を示した場合も「糖尿病型」と診断されます。

◆では、「境界型」はどのような数値の人を指すのでしょうか。診断では予備軍は「境界型」と呼ばれます。(2)の早朝空腹時血糖値が110 mg/dL以上126mg/dL未満、あるいは(3)の経口ブドウ糖負荷試験の2時間後の測定値が140mg/dL以上200mg/dL未満が境界型とされ、それより低い測定値を示す正常型でも、(3)の1時間後の測定値が180mg/dL以上の場合は境界型に準じた経過観察などが必要とされています。さらに、境界型では詳しい検査をすると糖尿病型に入ってしまうケースも少なくありません。

◆日本糖尿病学会から出た「糖尿病治療ガイド2016−2017」では「境界型は糖尿病に準ずる状態」としています。いわば危ない橋の上を渡っていて、努力次第では正常型に戻れますが、放置すると容易に糖尿病型に移行してしまう瀬戸際の状態です。

◆とくに注意が必要なのは、(3)の2時間後測定値が170〜199mg/dLと高い場合、糖尿病型への進展率が高いとされています。また、すでに肥満や高血圧、脂質異常症など、他の生活習慣病がある場合も当然、高リスクです。

◆境界型=まだ糖尿病じゃない、と考えるのではなく、境界型=このままいくと危うい状態と認識を改めて、次のような生活改善をおこないましょう。

◆まず太っている人は、肥満の解消です。現在の体重のマイナス5%を目指しましょう。肥満ではない人でも、食事は腹八分目を心がけ、動物性脂肪よりも食物繊維が豊富な野菜などを積極的にとる、食べる順番を野菜類→主菜→主食(ご飯やパン等)にする、1日30分程度の運動を週3回以上、無理な人は生活の中でこまめにからだを動かす、甘いドリンクや間食を控える、禁煙する、などで血糖値を下げる努力をしてください。

◆国立国際医療研究センターの糖尿病情報センターによると、血糖値は、1歳年をとるごとに2%、BMIが1増えるごとに17%、高血圧があると男性で1.3倍、女性で1.8倍に、1日20本以上の喫煙で男性で1.4倍、女性で3.0倍上昇するということです。

◆糖尿病になってからの節制はさらに厳しいもの。いまのうちから始めるのが賢明です。1年気をつけていれば、翌年の検診では正常型に近づくことも可能です。「まだ境界型だから大丈夫」「グレーゾーンだからしばらく何もしなくても平気」ではない現実を知り、今日からの生活改善で「正常型」を目指しましょう。

(監修:虎の門病院 内分泌代謝科医長 宮川めぐみ/2017年10月11日)

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