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乳児に塩分は危険!

スポーツドリンクはOK?

2017年7月、認可外保育施設で乳児が食塩入りの液体を与えられ、死亡する事件がありました。乳児が過剰に塩分をとると、なぜ命に関わる深刻な状態になるのでしょうか。離乳食の注意点について解説します。

◆食塩をとりすぎると死に至ることもある、特に乳児は危険――。「食塩中毒」のことを知っている人は、それほど多くないのでは?大人での事例は少ないものの、体が未発達の乳児の場合は、少量でも危険性の報告があり注意が必要です。

◆食塩の致死量は、体重1kgあたり0.5〜5gとされています。体重が5kgの乳児では、小さじ1杯(約5g)で命取りになる可能性があることを知っておいてください。たとえばカップラーメンをスープごと食べると、すぐに達してしまう量です。乳児は代謝に関わる腎臓などの臓器が未発達のため、成人よりダメージが大きくなると考えられます。

◆「食塩中毒」とは、食塩の過剰な摂取によって発症します。おう吐や下痢、頭痛、口の渇き、意識障害などの症状がみられます。また、体の中のナトリウム濃度が急上昇することで高ナトリウム血症から細胞内の浸透バランスがくずれ、深刻な状態に至る可能性もあります。

◆生後5〜6カ月の離乳食初期の段階では、食塩は使用しません。具体的な離乳食の塩分量や糖分量は、自治体などの専門サイトで紹介されているので参考にしてください。赤ちゃんの食べものや飲みものは、月齢・年齢に応じて、ごくうす味のものを用意する必要があります。

◆また、かぜなどの発熱で汗をかいたときに飲むアイソトニック飲料にも食塩が含まれていますが、乳児に飲ませても大丈夫なのでしょうか。

◆実は、健康な乳幼児には、おすすめできません。スポーツドリンクを1リットル以上、短時間でがぶ飲みすると体内の電解質濃度が薄まって水中毒を発症する可能性もあります。むくみやけいれんなどが起こるほか、最悪の場合、死に至ることも否定できません。

◆下痢などによる脱水症の際は、安易にスポーツドリンクを与えてはいけません。ものによっては糖分が多すぎて、下痢を悪化させるケースもあるようです。小児科を受診し、医師の勧めに応じた薬や飲料を使用するようにしましょう。

◆もともとスポーツドリンクは、運動などで失われた汗(電解質)と水分を吸収させやすいよう、糖分を補給するためのもの。健康な状態の乳幼児なら、スポーツドリンクをとる必要はありません。下痢などによる脱水の場合は、必要に応じて医療用の内服電解質剤が望ましいでしょう。

◆母乳や粉ミルクを中心に月齢に応じた離乳食・幼児食に移行させていくことには理由があります。通常の指導にしたがった育児をしていれば、食塩中毒は起こりにくいと考えられます。食事だけでなく、おやつや飲みものも含めて、大人用のものを不注意に与えないようにしましょう。3歳までの乳児は塩分のほか、糖分も控えめにしたいものです。

◆味覚形成は幼児期のうちに完成するといわれており、強い甘味に慣れてしまうと甘いもののとりすぎにつながります。若年性の肥満や糖尿病も増加傾向にありますので、将来の健康のためにも、うす味の食習慣をおすすめします。

(監修:医療法人社団秀志会 松平小児科院長 松平隆光/2017年10月24日)

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