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20歳以降に10s以上の体重変化は危険?

極端に太ったりやせたりは…

「いま太ってないから大丈夫」ではなく、20歳のころと比べて激しい体重の増減を経験することが、ある種の病気のリスクを高めることがわかってきました。体重の変化をプラス・マイナス5kg以下に抑えることが大切になるようです。

◆20歳以降に10kg以上太ると糖尿病になりやすくなるといわれていますが、東京大学の報告から実際にどれくらい発症リスクが上がるのかがわかってきました。36〜55歳の男女1万3700人を5年追跡調査して分析された結果です。

◆それによると、体重の増減が2kg未満にとどまっている群を基準1.0とすると、10kg以上増えた人ではリスクは、3.09倍にもなるそうです。6〜10kgでも2.3倍の高い値で、2〜6sは1.26倍です。しかもBMI値20〜24で「肥満」の分類に入らない人でも、体重変動が大きければ発症リスクは高いことがわかりました。

◆さらに注目したいのは、体重増加だけが生活習慣病のリスク要因になるわけではなく、体重の減少についてもリスクがあるということが別の研究からわかってきています。体重の減少が、虚血性心疾患や脳卒中の死亡リスクを上げるというのです。

◆東北大学が行った約5万5000人(40〜79歳)の13年間の追跡調査(大崎国保コホート研究)では、20歳時の体重と調査当初の体重差が、(1)マイナス10kg以上減少、(2)5〜10kg減少、(3)変化なし(5kg未満の増減)、(4)5〜10kgの増加、(5)10kg以上の増加の5群に分け死亡リスクを調べたところ、次のような結果を得ました。

◆男女とも、(3)変化なし(5kg未満の増減)を基準1.0とした場合、虚血性心疾患での死亡リスクが高かったのは、男性は(1)の10kg以上減少したグループで1.42倍、女性は2倍でした。女性の場合は体重の増減いずれも影響が出ていて、(2)の5〜10kg減少したグループが2.03倍、(4)の5〜10kg増加したグループが1.24倍、(5)の10kg以上増加したグループが1.39倍でした。

◆また、脳卒中の死亡リスクについては、男性は(1)の10kg以上減少したグループで1.37倍、女性は(1)で1.40倍、(2)の5〜10kg減少したグループで1.49倍、(5)の10kg以上増加したグループで1.24倍でした。

◆これらの結果をグラフにすると、男性はL字型を、女性はU字型で死亡リスクが高くなっている様子を示し、虚血性心疾患と脳卒中に関しては、男女とも体重が減少した人のほうが死亡リスクが高いという結果になったのです。

◆このように、プラスでもマイナスでも体重の変化が大きいと、生活習慣病や心疾患・脳卒中で死亡するリスクが高くなってしまうという調査結果が得られました。

◆ですから、20代からできるだけ適正体重を意識して、体重の増減を10kg以内に、さらに理想をいえば5kg以内におさめることがすすめられます。太ってからダイエットするのではなく、継続的に体重をいい状態に維持することが大切です。

◆もっとも、すでに体重変化が10kgを超えてしまっている人、あるいは超えてしまった経験のある人はその歴史は変えようがありません。もちろん体重の増減だけがリスクを決定するわけではありません。標準体重に近づけて規則正しい生活を送る、食事に気をつける、適度な運動をするなどで、一生涯続けられる健康的な生活習慣をつくっていきましょう。

(監修:虎の門病院 内分泌代謝科医長 宮川めぐみ/2017年11月10日)

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