モバイルサイト「ケータイ家庭の医学」はこちら!
http://sp.kateinoigaku.ne.jp/

救命率を上げるハイブリッドER

一つの診察台で検査から手術まで

救急救命の現場では、検査のために患者を移動させることで時間のロスや容態の急変が生じ、救命率・治癒率を下げていることが問題になっています。その課題に応えるべく導入された、CT検査などと処置や手術を1箇所で行えるハイブリッドERの有用性が実証されました。

◆緊迫する救急医療の現場。生命を救うために、まさに1分1秒を争う診断・治療が行われています。そんな中、2011年に大阪急性期・総合医療センターが導入した「ハイブリッドER(新型救急初療室)」の実績をまとめた論文が発表され、その有用性が示されました。

◆初療室は文字通り、運び込まれた患者に初期治療を行う場所です。あらゆる可能性を念頭において、心拍、血圧などのバイタルサイン、意識レベル、血液検査、出血や骨折、内臓損傷の有無など、さまざまな検査・診断を速やかに行い、治療を開始しなければなりません。

◆とくに交通事故などによる外傷患者では、出血箇所を特定し、一刻も早く適切に止血する必要があります。そのためにはCT検査を行いますが、初療室とCT検査室を行き来する20〜30分間に容態が悪化してしまうことも珍しくないといいます。CT検査が間に合わず出血箇所が特定できないままに開腹手術や開胸手術をするケースもあります。救急外来でCT検査が「死のトンネル」と呼ばれていたゆえんです。

◆この点を改良するためにつくられたのが、ハイブリッドERです。ハイブリッドERにはCTや血管撮影装置が設置され、運ばれた患者を治療のための診察台に寝かせたままこれらの検査を行い、同じ診察台のまま手術や血管内治療などの必要な処置をすることができます。

◆論文では、ハイブリッドER導入前の360例と、導入後の336例を比較しています。救急搬送時からCT検査開始までの時間は、導入前の26分に対し、導入後は11分に短縮。止血開始までの時間も68分から47分に。さらに術後28日の死亡は、22%から15%と、約3割減少しました。「死のトンネル」が「命のトンネル」になるだろうと大いに期待されています。

◆ハイブリッドとは異質なものが組み合わされた複合型を指します。検査から診断、治療までが1箇所でできる、まさしく救急医療には理想的な複合型といえるでしょう。

◆ハイブリッドERは現在、国内9施設で稼働。日本発ということで、海外の施設からも注目を集めています。高価な設備なので時間はかかるかもしれませんが、今後は少なくとも各都道府県に1施設は配置されることが期待されています。

(監修:東京医科大学病院 総合診療科准教授 原田芳巳/2017年12月21日)


気になる身体の症状を
◆チェック◆
症状チェック 食事記録 お薬検索 病気検索

『家庭の医学』

1969年の発行以来、
累計約330万部の
ロングセラーの最新版

総監修:聖路加国際病院院長
福井次矢

信頼の『家庭の医学』最新版を
iPhoneアプリにギュッと凝縮!


外出先でのアクシデントの際にも活躍!


はい、いいえで答えるだけで、気に
なる症状の対処方法がわかる!

1日数行で心をたてなおす

森田式ダイアリーのすすめ

神経症や心身症の苦しみを、自学自修の日記療法で克服する
著:林内科クリニック院長 林吉夫
定価1,512円(本体1,400円)

お医者さんの話がよくわかるから安心できる

「膵がん」と言われたら・・・

膵がんの診断と治療についてわかりやすく解説
著:杏林大学学長・同大学名誉教授 跡見裕 / 杏林大学医学部消化器・一般外科准教授 阿部展次
定価1,620円(本体1,500円)

専門のお医者さんが語るQ&Aシリーズ

甲状腺の病気

進歩した薬物療法、放射線療法、外科療法の情報を紹介
著:東京女子医科大学内分泌疾患総合医療センター内科・大学院教授 佐藤幹二
定価1,458円(本体1,350円)