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足の付け根にできたしこり 痛くないからと放置しても大丈夫?

脂肪のかたまりやリンパ腺の炎症、粉瘤などは適切な治療でよくなりますが、まれに悪性の場合もあります

足の付け根に、触るとグリっとしたしこりができたことはありませんか。股関節は大きな関節で、体の中でも首、わきの下と並んでリンパ腺が集中している部分なので、リンパ節のトラブルが関係していることが多いようです。

◆股関節に腫れがみられるものには、脂肪のかたまりやリンパ節の炎症のほか、悪性リンパ腫、粉瘤(ふんりゅう:アテローム)、鼠径(そけい)ヘルニア、軟部肉腫などがあります。比較的よくみられるのは、脂肪細胞が増殖して塊になった良性の腫瘍(しゅよう)で、さわるとグリグリと動くのが特徴です。大きくて気になる場合は、外科的に取り除く場合もあります。

◆ウイルスや、細菌感染などのためにリンパ節が炎症を起こして腫れる場合もあります。痛みをともなうことも多いようです。足の付け根のリンパ節の炎症は、足のけがや感染で起こることが多いです。性感染症で腫れる場合もあります。細菌性の場合、抗菌薬の服用が必要になります。ときに悪性の場合もあります。

◆リンパ腫といわれるリンパ節の腫瘍の場合もあり、悪性のこともあるので要注意です。

その場合、発熱や体重の減少、寝汗などの症状がみられることもあります。

◆粉瘤は、皮膚にできた袋状の構造物の中に角質や脂肪などが溜まってしまい、こぶのようなかたまりができるものです。やはり、皮膚の下にコロコロ動くしこりとして気づきます。大きくなって、触っているうちに細菌が感染して化膿すると、痛んで膿(うみ)が出ることもあります(感染性粉瘤)。

◆小さくて痛みもないまま自然に消失する場合もありますが、大きくなって痛みがともなったり、膿が出たりするときには、局所麻酔をして切開し、中に溜まっている老廃物を出したり、皮脂腺の袋ごと切除する場合もあります。

◆鼠径ヘルニアは、別名、脱腸ともいわれ、ももの付け根部分に腸などの一部が飛び出してしまうものです。比較的男性に多く、子どもから成人、高齢者までどの世代でもみられます。ふくらみはやわらかく、立ったり、お腹に力を入れるとふくらんで、押さえると中に戻ります。症状が悪化して押しても中に戻らなくなると、かん頓(とん)ヘルニアとよばれ、ふくらみが硬くなり激しい痛みを伴います。腸の壊死(えし)など、放置しておくと命にかかわることもあるので、手術による治療が必要です。

◆軟部肉腫とは、筋肉や脂肪、血管、線維などにできる腫瘍(しゅよう)です。痛みのないしこりなので、大きくなるまで放置されていることが多かったり、症例が少ないために診断がむずかしい病気です。最初の治療が、その後の患者さんの治療の見通しや身体機能に大きくかかわるため、早期発見と専門医による治療が大切です。

◆しこりができても痛みのない場合もありますが、いずれにしても、以前にはなかった気になるしこりを見つけたら、早めに医療機関を受診しましょう。外科や皮膚科、形成外科などいずれでも診てもらえます。また、総合病院に行くと診断に応じて適切な科に案内してもらえるでしょう。

(監修:東京医科大学病院 総合診療科 原田芳巳/2011年11月17日)


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