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痛みはないけど気になるしこり がんの可能性は?

気になる皮下のしこりやこぶ

皮膚の下にやわらかなかたまり(しこりやこぶ)ができていませんか?これらのできものは、心配のないものから、手術などの治療が必要なものまでさまざまです。

◆「がんかも…」と気にする人がいますが、ほとんどは皮下の脂肪組織から生じた良性の腫瘍(脂肪腫)です。しかし、似たような症状でも治療の必要なものがありますので、心配なときは皮膚科で診てもらいましょう。

◆脂肪腫は、皮下にできるごくありふれた良性の腫瘍(できもの)です。幼少期に皮膚と筋肉の間の脂肪組織に発生すると考えられていますが、発育が非常に遅いので、ほとんどは40〜50歳代になってから見つかります。ふつうは単発性(1つだけできるもの)ですが、複数できることもあります。なお、まれに体の深部(筋肉内や筋肉の間、骨など)にできることもありますが、この場合には自覚症状がないので、なんらかの検査の際、偶然に発見されるケースが多いようです。多発例では圧迫されるような痛を訴えることもあります。

◆脂肪腫ができると皮膚の表面が盛り上がり、触れると境目のはっきりした、やわらかなかたまりを感じます。ほとんどは数ミリ〜数センチ大ですが、ときには直径10cm以上になることがあります。できやすいのは背中、肩、首などで、四肢の体幹に近い部分(上腕、おしり、太ももなど)にもよくみられます。顔面では、ときどきおでこにできることがあります。

◆脂肪腫は脂肪細胞のかたまりなので、通常痛みはありません。つまり、放置しても心配はないのです。ただし、皮下ののう腫や脂肪肉腫(がん)でも脂肪腫とよく似た症状がみられるので、一度は皮膚科で診てもらうことをおすすめします。おもに症状と画像検査(エコー、CT、MRI)で診断し、ほかの病気が疑われるときは、組織を採取して病理組織学的な検査を行います。この検査で「脂肪腫」と診断されれば安心してよいでしょう。

◆ほとんどの脂肪腫は経過をみるだけで十分です。しかし、目立つ場所にできた脂肪腫や巨大な脂肪腫は手術の対象になります。一般的な手術の場合、表面を切開し、脂肪腫をきれいに取り出すだけなので、外来治療で済みます。一方、巨大な脂肪腫や体の深部にできた脂肪腫では、入院が必要です。一度摘出すれば再発することはありません。

◆なお、脂肪腫とよく似たものとして粉瘤(ふんりゅう=アテローム)があります。これは体の表面のどこにでも出ますが、顔、外陰部や首の後ろなどが好発部位で、ふつうは痛みませんが、細菌感染を起こすと熱をもって腫れてきます。大きさや症状に応じて抗菌薬の服用、手術による摘出、うみの排出などを行います。粉瘤は実に多く、自己治療を続けていると再発をくり返します。皮膚科医と相談して完治を目指しましょう。

(監修:関東中央病院 皮膚科特別顧問 日野治子/2012年6月29日)


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