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ダイエットには「褐色」が大事!?

太りにくくする「脂肪」がある?

やせの大食いの人に多いことがわかっている褐色脂肪細胞が、肥満研究者の間で注目されています。脂肪と聞くとダイエットの大敵というのがこれまでの常識でしたが、この細胞に関しては必ずしもそうではないようです。

◆脂肪細胞は、主に白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞に分類されます。白色脂肪細胞はいわゆる体脂肪で、体にエネルギーを蓄えておく働きがあります。これに対して、褐色脂肪細胞は蓄えられた脂肪から熱を産生して体温を維持する役割を担当。脳が寒さを感知すると熱を生み出して、体温の維持・上昇に働きます。

◆褐色脂肪細胞が熱を作り出すことができるのは、細胞内にミトコンドリアが多く存在するからです。ミトコンドリアに含まれるUCP-1というタンパク質は、脂肪や糖を燃焼させる働きを持っています。そのため、褐色脂肪細胞が多い人や活性化している人は、エネルギー代謝が高くなることで太りにくい体になると推測されています。

◆ただし、褐色脂肪細胞は白色脂肪細胞に比べて非常に少なく、以前は成人には存在しないともいわれていました。その量は最も多い新生児から乳幼児でも約100g程度で、成人になると半分以下に減少。新生児に多いのは免疫力の弱い時期に体温が下がることで、病気にかかりやすくなるのを防ぐためと考えられています。

◆一方、近年になって、白色でも褐色でもない褐色脂肪様細胞といわれる細胞の存在も明らかにされています。ベージュ細胞やブライト細胞とも呼ばれ、寒冷刺激などを受けることで、褐色脂肪細胞と同様に熱産生を行う細胞です。

◆ベージュ細胞は、特にイリシンというホルモンに反応して脂肪の燃焼を促進することが判明しています。イリシンも最近発見された新しいホルモンで、運動によってその分泌量が増加。白色細胞に働きかけて、褐色脂肪細胞やベージュ細胞に変化させることが分かっています。

◆この褐色脂肪細胞やベージュ細胞、イリシンの脂肪を燃焼させる働きを、肥満の治療やダイエットに活かそうという研究が進行中です。冷たいペットボトルを持ちながら運動する、冷たいタオルで首もとを冷やしながら運動するなど、運動に寒冷刺激を組み入れた方法が考えられています。

◆ほかに、肩甲骨の周辺など、褐色脂肪細胞が存在する部位の筋肉を動かすことで血行をよくして、その働きを活性化させるアプローチも注目されています。首や肩、背中のストレッチのほか、ウオーキング時にひじを後ろへ大きく降るように歩くと、自然に肩甲骨周辺の筋肉を使う運動になります。

◆現在のところ、どの方法をどれだけ行えば有効かといったデータはなく、今後の研究が待たれます。ただし、ダイエットに運動が有効なのは周知の事実。その際に、ちょっとした寒冷刺激を加えてみてもいいかもしれません。

(監修:虎の門病院 内分泌代謝科医長 宮川めぐみ/2014年7月25日)


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