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子どものおしっこトラブル

あせらず成長を見守る

幼児期のおねしょは珍しくありませんが、中には夜間の就寝中だけでなく、昼間でもおもらしをしてしまう子どもがいます。多くは年齢が上がるにつれて自然に治っていきますが、ずっと続く場合は治療が必要なこともあります。

◆膀胱に一定量の尿がたまると、脳がその信号をキャッチして、膀胱を収縮させて排尿を促します。赤ちゃんの時は誰しも無意識におしっこをしていますが、3〜4歳ころになると脳や膀胱が発達。自分の意志で排尿をコントロールできるようになります。

◆しかし、この仕組みのどこかに未発達の部分や異常があると、排尿をスムーズに行うことができません。小学校高学年くらいになってもおねしょが続いたり、昼間にトイレに間に合わずにおもらしをしてしまう場合は、夜尿症や遺尿症の可能性も考えられます。

◆原因として多いのは、脳の下垂体から出るホルモンの分泌量が不足しているケース。ヒトの体は、夜間に多く分泌される「抗利尿ホルモン」によって、尿量を昼間の6割くらいに減らしています。また、夜間は膀胱の尿をためる力(膀胱容量)も、昼間の1.5倍程度に増加します。

◆そのため、夜はトイレに行くことなく十分に睡眠がとれますが、これらの働きが十分でないと、おねしょにつながってしまいます。特に尿量が多く、ぐっしょりと濡れるような場合は、夜間の抗利尿ホルモンの分泌不足が考えられます。

◆夜間の膀胱容量が小さいタイプでは、昼夜を問わずおしっこが近く、夜間だけでなく昼間におもらしをしてしまうこともあります。尿量そのものは少なくても、ためておく力が弱いためにあふれてしまうのです。

◆さらに、ヒトの体には夜になると眠くなり、太陽がのぼって明るくなると目覚めるリズム(概日リズム)が備わっています。このリズムが十分に発達していないと、自律神経の切り替えがうまくいかず、尿意に気づかずもらしてしまうことも。ほかにも、高度な便秘で膀胱が圧迫されているケースや腎臓や膀胱の病気が隠れていることもあります。

◆おねしょやおもらしの原因は1つというよりも、複数の原因によって起こることがほとんどです。小学校高学年くらいになっても改善しない場合は、小児科、泌尿器科、専門外来などを受診して、適切な生活指導や治療を受けたほうがよいでしょう。

◆一度、おねしょをしなくなったのに、学童期になって再び始まったというような場合は、心理的なストレスが原因となっていることも考えられます。夜間の尿量をコントロールする抗利尿ホルモンはストレスの影響を受けやすく、家庭環境や学校生活などに関係していることも少なくありません。

◆家庭での接し方としては、むやみに叱らないこと。友だちや兄弟との比較や「いつまでもダメねえ」などという言葉は、子どもの自尊心を傷つけます。治療として医師の指導下で行う場合は別ですが、夜間に無理やり何度も起こすのもやめましょう。かえって症状を悪化させる可能性があります。

◆まずは、夕飯以降は水分を過剰に摂取しない、塩分の多い食事を控える、寝る前にトイレに行く習慣をつける、エアコンなどで体を冷やし過ぎない、早寝早起きを心がける、などといった基本的な生活習慣を改めて見直すことが第一歩。保護者はあせらずじっくりと、温かく見守ることが大切です。

(監修:慶應義塾大学病院小児科 肥沼悟郎/2014年10月21日)


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