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子どもの中耳炎、繰り返すときには

重症化、慢性化を防ぐ

子どもがかぜをひいたとき、中耳炎にもなっていたという経験はありませんか。中耳炎は、耳の鼓膜の奥にある中耳に細菌などが入って炎症が起こります。小さな子どもに多くみられますが、再発を繰り返したり、重症化したりすることも少なくありません。

◆耳は一番外側の外耳、鼓膜の奥の中耳、さらに奥の三半規管などがある内耳の3つに分かれています。この中で、中耳にかぜなどをきっかけに細菌類(肺炎球菌、インフルエンザ菌など)が入り込み、炎症を起こすのが急性中耳炎です。

◆38℃くらいの発熱、激しい耳の痛みが主な症状で、ひどいときには鼓膜の内側に膿がたまり、鼓膜が破れて耳だれを起こすことも。幼児期に一度はかかるといわれるほど発症頻度の高い病気の1つで、何度も繰り返すことも珍しくありません。

◆幼児期に多い理由は耳の構造に関係します。中耳は鼻(鼻腔)と耳管という管でつながっていますが、幼児は免疫力が未発達で感染症を起こしやすい上、この耳管が太く短く、水平になっています。そのため、鼻やのどに付着した細菌類が侵入しやすいのです。

◆治療は軽症例では経過観察の場合もありますが、腫れが強かったり、耳だれがあるときは抗菌薬(点耳薬や内服薬)で炎症を抑えます。同時に、発熱や痛みに対しては解熱鎮痛薬で症状をやわらげます。

◆特に化膿して膿がたまっているときは、鼓膜に小さな穴をあけて膿を排出する「鼓膜切開」を行うこともあります。切開した鼓膜は2〜3日で自然に塞がり、1週間から10日くらいで治るのが一般的な経過です。

◆問題は治療を2週間以上続けても完治せず、難治性の中耳炎に移行したり、いったん治癒しても繰り返したりする(反復性の中耳炎)場合です。特に原因となる菌が処方された抗菌薬に耐性を持っていると遷延化が起こりしがちで、こうした耐性菌への対策として、新しい抗菌薬が開発されています。

◆2009年に承認されたオラペネム(一般名:テビペネムピボキシル)とオゼックス/トスキサシン(一般名:トスフロキサシン)は、中等度や重症の中耳炎に用いられます。オラペネムはカルバペネム系、オゼックスとトスキサシンはニューキノロン系と呼ばれる種類の抗菌薬で、従来のペニシリン系の抗菌薬が効かない場合に有効とされます。

◆新しい薬の登場により、重症化しやすい2歳以下の乳幼児では、再発が抑制されたり、鼓膜切開を回避できるケースも増えてきているようです。ただし、必ずしも鼓膜切開に代わるものではないことに注意が必要。また、服薬期間を守らないなどといった不適切な服用は、新たな耐性菌を招く恐れがあることも知っておいてください。

◆なお、中耳炎の原因となる肺炎球菌に対するワクチンが、2013年から従来の7価ワクチン(PCV7:7種類の肺炎球菌に予防効果があるワチン)から13価ワクチン(PCV13:同菌13種類に対し効果)に切り替わり、中耳炎予防にもかなりの効果が見込めるようになっています。

◆ワクチンは生後2か月から接種でき、標準的なスケジュールでは4週間隔で3回、生後12〜15か月齢に4回目を接種。初回の接種月齢・年齢によって、接種間隔や回数が異なります。積極的に受けることが、中耳炎の予防につながると考えられます。

◆中耳炎の治療は、早期の治療で重症化、慢性化を防ぐことが大切です。言葉を覚える時期の子どもにとって、聞こえの不調や耳の痛みは成長を妨げる原因となることもあります。特に繰り返している場合は、かかりつけ医と相談して適切に治療していきましょう。

(監修:はくらく耳鼻咽喉科・アレルギー科クリニック院長 生井明浩/2015年5月11日)


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