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慢性膵炎、原因に男女差?

飲酒だけでなくストレスも原因

膵臓(すいぞう)に繰り返し炎症が起こることで、臓器が萎縮してしまう「慢性膵炎」。患者数でみると男性は女性より2.5倍ほど多く、飲酒が大きな要因であることがわかっています。一方女性は、原因を特定できない「特発性」が最も多くなっています。

◆膵臓は、みぞおちの少し下、背中に近い位置にある臓器です。膵臓の役割は大きく2つ。ひとつは血糖を調整するインスリンというホルモンの分泌、もうひとつは食べ物を消化する膵液の分泌です。全身にとって重要な働きを担っていることがわかるでしょう。

◆膵液には、炭水化物、たんぱく質、脂質を分解する酵素が含まれます。本来なら膵液に含まれる消化酵素が膵臓自身を消化することはありません。しかし、何らかの原因によって膵液が活性化すると、膵臓自体を傷つけ炎症を引き起こします。膵臓の炎症が続くことで徐々に細胞が萎縮し硬くなり、次第に機能が失われていく病気が慢性膵炎です。

◆初期(代償期)に起こる典型的な症状は、みぞおち、脇腹、背中の痛みです。痛みは頻繁に続き、鎮痛薬が効きにくいことがあげられます。また、横向きで脇腹を抱えるようにすると痛みがやわらぐ傾向があります。

◆痛みが起こりやすいのは、アルコールや脂肪分の多い食べものを摂取した後です。そのほかの症状は、食欲不振、嘔吐、腹部膨満感、下痢などがあげられます。腹部を押すと痛む「圧痛」や、背中を軽く叩くと痛みが広がる「叩打痛」があるのも、この病気の特徴です。

◆中期(移行期)になると、膵臓の働きが低下するため、痛みの症状が出にくくなります。さらに病気が進行し後期(非代償期)になると、痛みはあらわれなくなります。しかし、膵臓の機能が失われているために、消化不良による下痢や白っぽい柔らかい便(脂肪便)、インスリンの分泌低下による糖尿病の発症などがみられるようになります。

◆また、慢性膵炎と診断された人の約半数に「膵石」ができるといいます。慢性膵炎になると、膵臓がんになりやすいと考えられていますが、とくに膵石があると、膵臓がんの発症リスクが高まることが指摘されています。

◆原因で最も多いのは、飲酒によるもので、全体の6割以上を占めます。次に原因が特定できない特発性で、2割ほどになります。男女別でみると、男性では7割以上がアルコール性で、圧倒的に多いことがわかります。一方、女性は特発性が約4割を占めており、原因に男女差があるのも特徴です。また、男女ともに発症にはストレスとの関連が大きいことがわかっています。

◆診断には、問診や触診のほか、血液検査や尿検査でアミラーゼなどの消化酵素の値を調べます。慢性膵炎が疑われる場合は、超音波検査、CTやMRIによる検査、必要に応じて超音波内視鏡検査や内視鏡的逆行性胆膵管造影(ERCP)が行われます。

◆治療には、膵液の分泌を抑える薬、消化を助ける薬を服用します。アルコールが原因の場合、禁酒は大前提です。また、たばこに含まれるニコチンが悪影響を与えるので、禁煙も必須です。そのほか、脂肪分を抑えた食事など、生活習慣の改善が求められます。

◆機能を失った膵臓は元に戻ることはありません。そのため慢性膵炎は早期発見・早期治療が重要です。しかし、膵臓は病気の早期発見が難しい臓器といわれています。飲酒や喫煙の習慣がある、脂肪分の多い食事をよくとる、膵臓がんの家族歴があるという人は、発症リスクが高いため、年に一度は膵臓の定期検診を行うことをおすすめします。

(監修:目黒西口クリニック院長 南雲久美子/2017年11月15日)


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