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骨髄炎は骨の感染症

骨の中が化膿する!?

骨髄とは骨の中心にある海綿状(スポンジ状)の造血組織。ここで赤血球や白血球、血小板がつくられます。骨髄に細菌が感染し、炎症を起こす化膿性の病気を骨髄炎といいます。骨が壊死するなど重症化する場合もあるので、早期治療が大切です。

◆骨髄炎の原因となる細菌は、黄色ブドウ球菌、真菌、緑膿菌、結核菌などさまざまです。近年は、MRSA(メチシリン黄色ブドウ球菌)、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)といった抗菌薬が効きにくいものも増えています。

◆骨髄に細菌が侵入する原因として、以下の3つが考えられます。
(1)骨折と同時に皮膚が破れて骨折部が露出した。
(2)骨の手術を行った際、骨髄が細菌侵入の危険にさらされた。
(3)近くの軟部組織(筋肉、腱、血管、リンパ管など)の化膿が拡がった。
(4)中耳炎や扁桃炎、尿路感染症など、別の感染巣の細菌が血液を介して侵入した。

◆子どもに多くみられるのが、急に症状が起こる「急性化膿性骨髄炎」です。骨の成長期のため、血流の豊富な上腕骨、大腿骨、脛骨に発症しやすいのが特徴です。主な症状は、局部の腫れや痛みに加え、発熱、食欲不振、倦怠感など。幼児の場合、動かすと痛がって泣くのが発見のポイントになります。

◆治療には、1〜2週間ほどの入院が必要で、発症原因となった菌に対する抗菌薬を点滴します。症状が軽い場合は、自宅で治療を行うこともあります。ただし、医師の指導どおりに抗菌薬を服用しなければなりません。

◆一方、慢性的に症状がみられるものを「慢性化膿性骨髄炎」といいます。再発を繰り返し慢性化するものと、最初から慢性的な症状で発症するものがあります。慢性化すると患部の痛みや腫れが続きます。また、骨髄にたまった膿が皮膚の表面に出てくることもあります。

◆高齢者に多くみられるのは、脊椎に起こる化膿性脊椎炎です。糖尿病や慢性腎臓病(CKD)などで免疫力の低下した人がかかりやすく、背中や腰に強い痛みが起こり、多くは発熱を伴います。骨髄に膿がたまると、骨の中の血管が圧迫されて血液が滞り、骨が壊死(腐骨)することがあります。また、膿で神経が圧迫されると、脚にまひが現れることもあります。

◆化膿性脊椎炎の治療でも、まずは抗菌薬の点滴が行われます。早い段階で適切な治療を開始すれば予後は良好です。ただし、抗菌薬の投与で改善しない、あるいは化膿性脊椎炎でまひがあるときは、たまった膿や壊死した骨を取り除く手術が必要になります。

◆手足が痛むなどの症状が現れたときは、早めに整形外科を受診しましょう。たとえ感染ルートが特定できなくても、検査で診断がつけば早期に治療に入ることができます。ほかの感染症と同様に、早期治療が回復への近道です。

(監修:あそうクリニック院長 麻生伸一/2018年8月15日)

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