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骨盤臓器脱が尿トラブルを引き起こす?

骨盤底筋体操で症状の軽減を

女性の骨盤内にある子宮や膀胱といった臓器は、筋肉や靭帯等で支えられています。しかし、出産や加齢などで筋肉や靭帯が緩むと子宮や膀胱が下がり、腟から外に出てしまったり(骨盤臓器脱)、尿道が押されて尿トラブルを招いたりすることがあります。

◆骨盤の底にある筋肉(骨盤底筋群)や靭帯組織などに緩みが生じる原因として、閉経による女性ホルモンの低下、加齢による筋力の衰え等があります。また、出産時に骨盤底筋や靭帯が引き伸ばされたり、傷つけられるため、多産や難産の経験のある人ほど、骨盤底筋などの緩みが多くみられます。

◆さらに、重い物を持つ仕事、立ちっぱなしの仕事、慢性的にせきやくしゃみを伴うアレルギー性疾患、便秘、肥満など、腹圧がかかることで骨盤底筋等がダメージを受け、引き起こされる場合もあります。

◆緩みなどにより、子宮が下がったり(子宮脱)、膀胱が下がる(膀胱瘤)と、下腹部や外陰部が引っ張られる感じや圧迫感、腰痛が生じます。下降の状態が進むと、腟から子宮や膀胱の一部が脱出して陰部に違和感を覚える、下着にこすれて出血がみられる、尿や便が出しにくくなる、尿漏れをするなどの症状があらわれます。

◆診断は内診で行います。さらに、腹圧を加えて下がった状態をつくり出し、子宮の下降の程度を評価します。また、必要に応じてエコーやMRI、CT等の画像検査を実施します。

◆軽症の場合、治療として、緩んでいる筋肉を鍛える骨盤底筋体操などに取り組むことで、症状の改善がみられることもあります。一方、手術の適応があっても不可能な場合(高齢、合併症、入院する余裕がないなど)、ペッサリーと呼ばれる腟内装具の挿入による保存的療法が行われます。

◆手術療法としては、いくつかの方法があり、症状や年齢、希望に応じて選択されます。近年は、ポリプロピレン素材のメッシュで骨盤底筋を補強する手術、中でも腹腔鏡下仙骨膣固定術を第一選択としています。合併症や高齢などが原因で、全身麻酔をかけることが困難な場合は、下半身麻酔でできる手術や、メッシュを使用しない手術もあります。

◆命にかかわる病気ではないから、恥ずかしいからと受診をためらう女性が多いとみられていますが、下腹部の不快感や排尿トラブルは、QOL(生活の質)の著しい低下につながります。また、骨盤臓器脱が進行したまま放置すると、腎不全を発症することもあります。気になる症状がある場合は、早めに婦人科や女性泌尿器科を受診し、専門医に相談するとよいでしょう。

(監修:ますえクリニック 増栄孝子/2018年11月13日)

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