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無痛分娩の自主点検表とは?

安心して出産するために

相次いで起きた無痛分娩中の事故を受け、厚生労働省研究班は「無痛分娩の安全な提供体制の構築に関する提言」をとりまとめ、医療機関向けの自主点検表を作成しました。無痛分娩を扱う施設が、「安全性の確保と向上」に対応できているか自らチェックすることができます。安心して出産するための体制づくりが進められています。

◆無痛分娩とは、麻酔によって陣痛の痛みを和らげ出産する方法です。体の負担を軽くできるので、とくに心臓や肺が弱い人、血圧が高い人にすすめられます。もちろん一般の人でも行うことができます。体力を温存できるため産後の回復が早い上、痛みへの恐怖感や不安感が軽減できることがメリットでしょう。

◆その一方で、分娩時に陣痛促進剤、吸引や鉗子の使用頻度が高いこと、麻酔による一般症状として足の脱力や残尿感などがあること、まれに麻酔による呼吸困難などの重い症状が出ることなどがリスクとしてあげられます。

◆なお、産科の麻酔処置は、麻酔科医でなくても行えます。そのため、無痛分娩を取り扱う医療施設でも麻酔科医が常駐していないところは少なくありません。そもそも麻酔科の専門医が日本では足りていないという指摘もあり、その数や技術水準の向上が急がれます。

◆とはいえ、無痛分娩だからといって、特別危険だというわけではありません。日本産婦人科医会の調査では、2010〜16年に死亡した妊産婦271例のうち、無痛分娩中の死亡は14例で全体の5.2%。14例のうち麻酔を原因とする死亡は1例で、そのほかは大量出血と感染症が原因でした。

◆欧米では広く行われている無痛分娩ですが、日本国内でも最近は増加傾向にあります。日本産婦人科医会の調査によると、2014年には4.6%、2015年には5.5%、2016年には6.1%となっています。

◆このような現状をふまえ、厚労省は専門家による研究班を立ち上げ、無痛分娩でも安心して出産できる体制づくりを進めています。そのひとつが、自主点検表の作成です。無痛分娩を取り扱う医療機関は、自主点検表を活用し、すべてを満たしたうえで実施するよう呼びかけています。

◆インフォームド・コンセントを適切に実施し説明書や同意書がある、無痛分娩麻酔管理者や麻酔科担当医を配置している、必要な医療機器設備があるなど、診療体制の状況について、複数の点検事項があげられています。

◆そのほかにも、無痛分娩の診療実績や標準的な説明文書など診療体制についてウェブサイト等で公開しているかどうか、関係学会との連携がとれているかなども事項として含まれています。日本産科婦人科学会、日本産科麻酔学会のホームページなどで、詳しい資料や一般向けのQ&Aなども公開されていますので、参考にするとよいでしょう。

(監修:中村クリニック院長 中村理英子/2018年12月13日)

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