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認知症の悩みに、認知症当事者が相談

広がる出会いや活動の場

認知症患者の相談に、同じ認知症の人たちが悩みを聞くという取り組みが始まっています。相談する側も受ける側も、ともに充足感や安心感が高まるといいます。実際の取り組みとはどのようなものなのでしょうか。

◆内閣府の調査では、2012年には65歳以上の認知症の罹患率は7人に1人でしたが、2025年の推計では、5人に1人になるそうです。2009年の発表で約4万人といわれた若年性認知症患者も含めると、認知症はけっして特別な病気ではない、誰もがかかる可能性のある身近な病気になっています。

◆これまで認知症については、介護する側の苦労話が多く語られてきました。しかしここ数年、認知症の当事者が診断されてからの体験や思いを語る場が設けられたり、当事者自身が研究や取材に協力し、症状がより具体的に明らかになるケースが増えています。

◆当事者目線での活動の必要性が強調されるなか、認知症当事者が認知症の人の相談に応える取り組みも始まっています。例えば宮城県から始まった「おれんじドア」。ここでは認知症と診断後、最初の総合診断窓口としての機能をもつ組織で初めて来た方の不安を取り除くため取り組んでいます。今ではこの活動は全国に広がりをみせ、相談者の内容に合わせ、個別相談などが定期的に行われています。

◆この活動に参加する大きなメリットは、当事者にしかわからない悩みや当事者だからこそ口に出せる苦しみを語り合えることです。介護を受ける側としてつらいこと、傷つくことなどを打ち明けることができ、さまざまな思いを共感・共有することで大きな安心につながるといいます。

◆また、「先輩」である他の当事者の様子を目の当たりにして、自分のできることはたくさんある、すぐにいろいろできなくなるわけではない、サポートを受けながら自分らしく生きる姿などを学び、希望を持てたという人も多いそうです。

◆認知症の方は、自身の病気の認識については、ないというのが一般的です。なんとなく不安感(物事がうまくいかないなど)を持つ方もいますがこちらも一般的ではありません。もし不安感などがある場合には、そこでひとりで悩まず誰かに相談し、話を聞いてもらうことで、気持ちを共有できる仲間がいること、前を向くきっかけを得ることが必要だといいます。

◆一方、認知機能の維持において、新たな出会いや活動の場を広げていくことはプラスになるでしょう。認知症という診断を受けた場合、それを隠したいという人はまだ多いようですが、閉じこもらずにオープンにすることが大切です。

◆認知症の人が住み慣れた場所で自分らしく暮らし続けるために、厚生労働省が策定した「認知症施策推進総合戦略=新オレンジプラン」でも、認知症当事者やその家族の視点を重視したさまざまな支援の実施を提言しています。NPOなど民間の団体でも、そうした活動が活発になっています。

◆認知症同志の方々の会話は重要ですが、話し合っているように見えても各々が自分のことのみを交互に話しているだけの場合も多いので、時々正常な介護者が介入してあげることも忘れてはいけません。

◆2012年に認知症高齢者数が462万人に達した日本。認知症の人も社会の一員としてふつうに過ごせるような地域の環境づくりや取り組みも、少しずつ始まってきています。

(監修:寺本神経内科クリニック院長 寺本純/2019年1月29日)

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