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新薬も! インフルエンザの薬を知ろう

1回の服用で済む薬も登場

ひと昔前までインフルエンザ治療は対症療法しかありませんでしたが、2000年以降、抗インフルエンザ薬が次々に登場しています。薬の種類も増えていて、新しく承認されたものもあります。それぞれの薬の特徴と使用方法などについて解説しましょう。

◆現在、日本で使われている抗インフルエンザ薬には、ノイラミニダーゼ阻害薬として、オセルタミビル(タミフル)、ザナミビル(リレンザ)、ラニナミビル(イナビル)、ペラミビル(ラピアクタ)があります。また、2018年に新たにキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬のバロキサビル マルボキシル(ゾフルーザ)が承認されました。

◆ノイラミニダーゼ阻害薬とは、ウイルスの増殖や拡散に関わるノイラミニダーゼという酵素の働きを抑えることで、細胞外へウイルスが遊離するのを防いでウイルスに対抗する薬です。ノイラミニダーゼはA型、B型いずれにも共通している酵素なので、インフルエンザA型、B型両方に有効です。

◆その中のザナミビル(リレンザ)は、日本で最初に使用されるようになった抗インフルエンザ薬で、専用の吸入器を使って1日2回、5日間使用する粉末吸入薬です。

◆ラニナミビル(イナビル)も粉末吸入薬ですが、1回の服用で済むのが特徴です。いずれも発症後48時間以内に服用を始めることが必要です。ペラミビル(ラピアクタ)は点滴薬で、病院内で使用されるものです。

◆オセルタミビル(タミフル)は、カプセル剤とドライシロップ剤があります。粉末の吸入がむずかしい子どもや高齢者には比較的服用しやすい形状です。やはり発症後48時間以内に服用を始め、1日2回、5日間使用します。2018年5月からこれまで原則禁止となっていた10代にも使用できるようになりました。

◆これらノイラミニダーゼ阻害薬の副作用には、吐き気、下痢、口内炎、めまい、頭痛、不眠などの可能性が挙げられています。

◆一方、新しく承認されたバロキサビル マルボキシル(ゾフルーザ)は、ノイラミニダーゼ阻害薬と薬の働く仕組みが違います。キャップ依存性エンドヌクレアーゼという酵素の働きを阻害して、細胞内のウイルスそのものの増殖を抑える薬です。

◆薬の働く仕組みが違うので、A型、B型以外のインフルエンザやノイラミニダーゼ阻害薬に耐性のあるウイルスへの治療効果が期待されています。1回の服用だけで済むことも患者にとっては簡便です。

◆副作用には、下痢や腹痛、頭痛などが起こりうるとされています。まだ使用が始まったばかりのため、副作用については今後のデータ蓄積が必要ですが、ウイルスの増殖を防ぐことで、従来の薬より早く効くとの報告もあります。

◆心配されるインフルエンザ罹患時の異常行動については、厚労省の医薬安全対策課によると、服用の有無や薬の種類にかかわらず異常行動を起こすことがあるとして、適切な見守りや注意をするよう呼びかけられています。昨年まで10歳代の使用が禁止されていたタミフル以外の薬のほうがより安全である、というのも誤解といえます。

◆インフルエンザにかかったら、まず安静第一です。登校や出社は規定通りに控え、家族などが患者を見守ってください。薬は医師の判断で慎重に使用されますが、ふだん飲んでいる薬や持病がある人はあらかじめ伝えてください。アスピリンなどの解熱薬はインフルエンザ脳炎や脳症を発症するリスクがあるので使用は禁忌です。市販薬などを安易に飲まずに、すみやかに病院に行きましょう。

◆保育園や小学校での集団感染の事例も2018年11月から2019年1月にかけて急激に増加しており、全体の70%は1歳から14歳までの乳幼児〜小児が占めています。毎年この1月から2月にかけてがインフルエンザのピークです。感染予防には家庭内でのこまめな手洗いやうがい励行、休養・栄養・水分補給・適度な室内加湿や換気が重要です。また毎年流行前の11月ごろにはインフルエンザの予防接種を受けておきましょう。

(監修:医療法人誠医会 宮川病院 内科 宮川めぐみ/2019年2月11日)

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