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対策強化を ときには死を招く食中毒

カレーやシチューも危険!

冬の間は比較的少ない食中毒の発生件数は4〜5月から増え始め、梅雨、盛夏にピークをむかえます。激しい下痢や嘔吐、腹痛、それでも数日で治るものもあれば、高齢者や子どもなどで緊急入院を余儀なくされたり、なかには死に至る危険なものもあります。どのようにすれば食中毒を防げるのでしょうか。

◆食中毒の原因は、細菌(O-157、サルモネラ菌、ブドウ球菌など)、ウイルス(ノロウイルスなど)、寄生虫(アニサキスなど)、自然毒(毒キノコ、ふぐの毒など)などさまざまです。平成29年度の厚生労働省の調査では、食中毒の約10%が家庭で起きており、実際には調査に上がっていないもっと多くの家庭で発生していると考えられています。

◆食中毒の予防でまず考えられるのは、生の肉や魚に気をつけることでしょう。調理前の肉・魚介類と、ほかの食材がふれないよう、まな板や包丁、箸などは別にするか、そのたびに洗う。また、調理するときは中心部の温度を75℃以上で1分間加熱することが目安となっています。

◆このほか、食材の購入後はできるだけ早く冷蔵庫・冷凍庫に入れて低温で保存する。肉・魚からは汁が出ないようしっかり包んで保管するほか、牛乳や野菜類なども含めて、残り物は必ず冷蔵庫に入れて早めに使い切る、食品の解凍は自然解凍を避けて冷蔵庫あるいは電子レンジで行う、一度解凍したら再び冷凍しない、などが挙げられます。

◆また、食材は必ず水洗いしてから使う、調理前や途中にも手洗いを欠かさない、などが基本中の基本となります。そして、手指にけがをしているときには、絆創膏などで保護した上で、必ず使い捨ての手袋やラップなどを使用し、傷が食品に付かないようにしましょう。これは黄色ブドウ球菌が繁殖しやすくなるためで、特に、おにぎりやサンドイッチなどのお弁当は要注意です。手が荒れている場合にも注意が必要です。

◆夏場に持ち運ぶお弁当類は、梅干しを入れたり味付けにお酢を加える、温かいものは冷ましてから入れる、汁気の少ないおかずにする、など食品で工夫することに加えて、保冷剤を入れたり保冷バッグに入れておくなど、保存のしかたも重要です。近年はお弁当の上にのせておく抗菌シートなども市販されています。

◆油断しがちなのが、カレーやシチューなど十分に加熱したはずの煮込み料理や煮つけ、大鍋でつくった料理などです。翌日、火を入れて食べるとおいしいこともあって、鍋のまま常温で保存しがちです。ここに発生しやすいのがウェルシュ菌で、空気のない場所でも増殖します。菌が増殖して食べ物とともに腸管に入ると、毒素を出して食中毒を引き起こします。

◆ウェルシュ菌は100℃で加熱しても死滅しない、密閉された環境(鍋の底など)で増殖する、においや味で発生しているかどうかわからない、など厄介な性質をもっています。6〜18時間の潜伏期間のあと、下痢や嘔吐などの症状があらわれ、比較的軽症で済むことが多いものの、厚生労働省では食中毒の原因の上位に位置しています。

◆予防としては、残った料理は必ず冷蔵庫に入れる、翌日は鍋をしっかりかき混ぜて空気に触れさせながら、急速に加熱します。いくら一晩置いたカレーがおいしいからといって、何日もかけて食べるのはリスクを上げるのでやめておきましょう。

◆また、チャーハンやピラフ、パスタ、焼きそばも残ったものをそのままにしておくと、セレウス菌という細菌が増殖して、下痢や嘔吐などを起こすことがわかっています。一度火を通したものでも食中毒が起きることを忘れないでください。

◆最近の野菜は衛生的に処理されていますが、O-157による食中毒(腸管出血性大腸炎)を招く可能性があります。やはりしっかりと洗うことが大切です。たまごも割ったものを保存するのはNG。サルモネラ食中毒の原因になることがあります。また、賞味期限が切れたたまごを生で食べるのはやめましょう。

◆家庭内での食中毒は気をつけていれば防げます。油断せずに、つけない、増やさない、やっつける、を実践しましょう。

(監修:医療法人誠医会 宮川病院 内科 宮川めぐみ/2019年6月3日)

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