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オフシーズンからのスギ花粉症治療

メリット・デメリットを考慮しよう

スギ花粉症の人にとって、毎年花粉が飛散する2〜4月はゆううつな時期。せっかくの春なのに、薬やマスク、ティッシュが手放せないつらい症状を経験します。しかし今から始めれば、翌年の症状軽減、翌々年の根治をめざす道も!? 6〜10月のオフシーズンに始める免疫療法をご紹介します。

◆花粉症治療の中心は、鼻水や鼻づまり、くしゃみといったアレルギー症状を抑える対症療法です。花粉の飛散が始まって、症状が出始める頃から、抗ヒスタミン薬などの内服薬、点鼻薬、点眼薬などを用います。いずれも症状を軽くすることはできますが、花粉アレルギーの根本的な治療にはなりません。

◆一方、アレルギーの根治的治療として、免疫療法(減感作療法)があります。これはアレルゲンであるスギ花粉のエキスをごく少量ずつ体内に注入し、徐々に慣らして、スギ花粉に反応しない体に変えていく治療法です。

◆最初は慎重に、強いアレルギー反応が起こらないよう、様子を見ながら行います。免疫療法では症状をすぐに抑えることはできません。アレルゲンは毎日投与する必要があり、また体質を変えるまで、少なくとも3年はかかるといわれます。

◆以前は注射薬しかなく、週1〜2回、痛い注射を受けに通院しなければならなかったことなどで、それほど普及しませんでした。しかし現在では、舌下に投与する「舌下免疫療法」が主流に。2014年に保険適用となった舌下に液体を投与するタイプの舌下液に加えて、2018年には新たに舌下錠タイプが保険適用になりました。

◆いずれも1日1回、舌下に投与します。液体タイプは投与後2分間、錠剤タイプは1分間、唾液を飲み込まずに保持し、5分間はうがいや飲食を控えます。

◆舌下液は、1回目は通院して服用、その後、自宅で医師の指示通りに量を増やし、1週間後に受診します。副作用が重くなければさらに1週間かけて「維持量」といわれる量まで増やし、再受診のあと、維持量をキープして投与し続けます。維持期になってからは月に1回の通院ですみます。

◆舌下錠も1回目は通院して内服、その後は自宅で同じ量を服用、1週間後に受診して異常がなければ維持量を飲み続けます。維持期の通院はやはり月に1回です。

◆舌下錠は1回目から含有量が多いものを使うので、舌下液に比べて効果が強くあらわれる傾向があります。また、舌下液は冷所(冷蔵庫)で保管しなければなりませんでしたが、舌下錠は常温保存。旅行に行くときなどにも手軽に持ち運びができます。舌下液が12歳以上なのに対して、舌下錠は5歳以上となっています。

◆どちらも口内の腫れ、かゆみなどの副作用が現れるもののほとんどが軽症で、一時的なものですが、じんましんや嘔吐などを発症するアナフィラキーショックなど重大な副作用が現れる可能性もあります。最初の2〜3週間は医師が様子を見ながら投与していきます。

◆免疫療法は、スギ花粉のオフシーズンである6〜10月の間に始めます。花粉の飛散時期およびその前後数か月には体内に入る花粉量が多くなってしまうので、開始することはできません。開始した翌年は効果を感じられないケースが多いそうですが、2年目には7〜8割で症状の軽減が期待できるというデータもあります。まず3年は続けることが望ましいとされ、その後は服用をやめても2年程度は再発を抑えられると考えられています。再発時には、再度、免疫療法を行えます。

◆ただし、すべての人に同じような効果が現れるとは限りません。有効かどうかはやってみなければわからないといいます。また、なんらかの事情で中断してしまうと、効果が戻ってしまう可能性が高いので、中断したい場合は医師に相談しましょう。

◆免疫療法を希望するなら、まず医師に相談してメリット・デメリットを考慮し、続けて治療する決心がついてから始めることが肝要です。

(監修:はくらく耳鼻咽喉科・アレルギー科クリニック院長 生井明浩/2019年6月10日)

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