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運動不足は糖尿病より危険 積極的に運動を

高齢者でも無理のない運動を

運動不足の現代人に警鐘を鳴らす研究結果が発表されました。それによると、運動不足は、糖尿病や心血管疾患、喫煙などを上回る健康上の危険因子だといいます。同時に、高齢者や高血圧のある人では特に、運動によって寿命が延びることも示されました。

◆寿命を縮める危険因子といえば、喫煙、高血圧、高血糖、高脂血症や肥満が主に挙げられます。2018年に米国のクリーブランドクリニックの研究チームは、患者12万2007人(平均年齢53.4歳の男女)を対象に1991〜2014年に実施した大規模な調査で、病気による死亡率と運動による心肺機能の健康さとの関連を検討しました。

◆調査では、さまざまな病気をもつ患者にランニングマシンで有酸素運動を行ってもらい、その成績と運動習慣の有無などの情報をもとに、運動強度の低い人から、ずば抜けて高い人までを5つのグループに分類して、その後を追跡しました。

◆年齢、性別、BMI、病気と治療状況などを考慮・調整をして導き出された結果は、「運動不足は、心血管疾患、糖尿病、喫煙を上回る危険因子になる」ということでした。つまり、喫煙習慣がなく、心血管疾患や糖尿病などの生活習慣病がなくても、運動不足の人はそれだけで、死亡リスクが高まるということです。

◆また、「運動強度が高いほど死亡リスクは低くなる」ということもわかりました。特に70歳以上の高齢者では、「運動強度がずば抜けて高い人」は「運動強度が高い人」より全死因の死亡リスクが約30%低い結果になりました。高血圧の人の場合も死亡リスクが低くなったということです。

◆同クリニックの専門医は「高血圧や糖尿病の高齢者でも、有酸素運動の効果を得られる」としています。さらに「なるべく運動強度を高く設定すること」を勧めています。確かに、慢性疾患を理由に運動を制限していると、特に高齢者では筋力と筋肉量が減少するサルコペニアの状態に陥り、転倒や病気を合併するリスクも高まることから、医師の指導のもと、積極的に運動をすることは大事だといえそうです。

◆では、どんな運動をどのくらいすれば寿命の延伸に役立つでしょうか。前出の実験によれば、強度は高いほうがよいという結果でしたが、今まで運動習慣のなかった人が、いきなり激しい運動をすれば、心臓発作やけが・故障の原因になるので注意が必要です。

◆厚生労働省では、「運動+生活活動(歩行、掃除など)=身体活動」として「健康づくりのための身体活動基準2013」を発表しています。これによると、65歳未満の成人の場合、普通の歩行や家の掃除など以上の強度の運動または生活活動を1日1時間、このうち汗をかく程度の運動を週に1時間、65歳以上の高齢者の場合、強度を問わず1日40分が目安です。

◆米国保健福祉省(HHS)の運動ガイドライン(2018年)では、成人の場合、中強度の運動を週に150〜300分以上、または高強度の有酸素運動を75〜150分以上、あるいは、これらと同等量の両方の運動の組み合わせを目安としています。さらに、筋トレなど筋肉を強くする運動を週2回以上プラスすることも勧めています。

◆習慣的な運動が大切です。スポーツジムやスクールを利用できなくても、たとえば速足のウォーキングとスクワットの組み合わせなどから続けてみてはいかがでしょうか。

(監修:目黒西口クリニック院長 南雲久美子/2019年7月12日)

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