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治療の体制づくりに 全国がん登録とは?

がん患者100万人規模を実証

「地域がん登録」にかわって2016年からスタートした「全国がん登録」。この制度により、全国のがん患者をすべて把握できるといわれています。どのような制度なのでしょうか。

◆2016年にスタートした「全国がん登録」による初の全数調査の結果が、厚労省から発表されました。それによると、2016年に新たにがんと診断された人(罹患者)は全国で99万5,132人(男性56万6,575人、女性42万8,499人、性別不詳58人)、総計で最も多いのは大腸がんでした。ついに、がんは年間100万人規模でかかる病気であることが初めて実数で示されたのです。

◆実は、従来の「地域がん登録」では、がん患者の実態のすべては把握できませんでした。地域がん登録は、都道府県ごとに協力医療機関から集めた情報だったので、全数ではなく、その精度も一律ではなかったのです。また、匿名データとして国(国立がん研究センター)へ提供していたため、患者が県外へ転院した場合など二重登録の問題も指摘されていました。

◆そのため国は、精度の高い都道府県の数値をもとに割り出した推計値で、全国の罹患率や罹患数の予測を公表してきましたが、高齢化を背景にがん患者が増加するなか、有効な対策を講じるには、より正確ながん患者のデータ収集のしくみが求められてきました。

◆それを受けて「がん登録等の推進に関する法律」が整備され、「全国がん登録」の制度ができたのです。これにより、全国すべての病院と都道府県指定の診療所は、がん患者の実名データを都道府県に届け出ることが義務付けられました。

◆都道府県は、医療機関から送られた情報を整理して、国(国立がん研究センター)のデータベースに登録し、患者が居住する市町村は、がん患者の生存確認・死亡情報を国のデータベースに提供します。この制度により、氏名、性別、生年月日、医療機関名、がんの診断日・発見経緯・種類・進行度、治療内容、生存確認などの情報が国に登録されます。

◆全国から収集されたがん患者の情報は、国立がん研究センターが一元管理・分析を行います。都道府県別のがん罹患率、がん死亡率などの比較が可能になり、地域差も明らかになります。たとえば、A地域のある特定のがん罹患率が全国平均と大差があるのはなぜか、B地域のがん検診受診率は高いのに、がん発見時に進行がんが多いのはなぜか、などです。

◆地域住民の食事、生活習慣、環境、検診体制、医療設備など、さまざまな情報を併せて分析・検証して、地域差を生じている理由を探り、地域の課題が明らかになれば、有効性の高いがん対策を講じることができます。

◆なお、従来実施の「院内がん登録」も継続されます。これは、地域のがん診療拠点病院を中心としたがん医療の専門病院が、その病院で診断・治療する患者のがん情報を匿名データとして国立がん研究センターへ提供するものです。受診から診断までの経過や治療法などを細かく把握することで、施設ごとの特徴や治療成績を把握します。

◆2人に1人はかかるといわれるがんに対して、有効な治療や対策、そして予防へとつながる研究を進めるために、全数データの分析が始まっています。

(監修:目黒西口クリニック院長 南雲久美子/2019年7月19日)

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