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WHOが認知症予防で初指針

推定患者数5,000万人!

現在、世界の認知症患者数は推計約5,000万人。2050年にはそれが3倍以上に膨らみ1億5,200万人になるという推計も出ています。そのような状況下、WHO(世界保健機関)が認知症リスク低減のための初のガイドライン(“RISK REDUCTION OF COGNITIVE DECLINE AND DEMENTIA”)を発表しました。

◆WHOが2019年5月に発表した「認知症と認知機能低下のリスクを減らすためのガイドライン」では、認知症は全く避けられないものではない、生活習慣の改善などによってリスクを減らす可能性があるとして、推奨グレードを設け、いくつかの提言をしています。

◆まず、運動・身体活動は推奨グレード「強」(強く奨められる)に挙げられています。65歳以上では、週に合計150分以上の中くらいの強度の有酸素運動をする、または75分以上の強度の高い運動をするとし、有酸素運動は10分以上続けて行うことをすすめています。

◆高血圧と糖尿病の適切な治療を受けることも認知症のリスク低減にプラスになるとして推奨グレード「強」に。とくに糖尿病は血糖コントロールが不良だと、認知症のリスクが上昇するという報告があることから、生活習慣の改善だけでなく、治療が必要な人は適切な治療を受けることが重要ともされています。

◆食事については、栄養バランスのとれた食事はすべての成人に推奨されるとしています。具体的には地中海風の食事法として、野菜・果物・全粒穀類・マメ類・ナッツ類、オリーブオイル、野菜と果物は1日に400g以上食べること、動物性食品を控えめにして食塩の摂取量は1日5g未満が理想的であることなどを挙げています。

◆栄養バランスのとれた食事で肥満を改善し、適正な体重にコントロールすることも提言の中に含まれ、また禁煙と節酒も認知症リスク低減にプラスになるとされています。

◆サプリメントについての言及もあります。認知症予防を目的にしたビタミンB、E、抗酸化物質、オメガ3などの多価不飽和脂肪酸、マルチビタミンのサプリメントについては、「推奨しない」とのこと。しかし魚から摂れる多価不飽和脂肪酸が記憶力衰退の抑制になる可能性については言及されています。

◆提言のいくつかは限定的(条件付き)という推奨レベルになっており、現在までのさまざまな調査の結果をもとに現段階でのガイドラインをまとめています。今後も必要に応じて内容の豊富化や見直し等がされていくものと思われます。

◆認知症は本人や家族にとっての問題であるだけでなく、その介護にかかる費用が2030年までに年間推計2兆ドル(約200兆円)にふくらむと予想され、いまや経済面からも公衆衛生面からも、世界的に深刻な課題となっています。ガイドラインはおもに医療関係者向けの専門的なものですが、運動や栄養など1人ひとりの生活習慣の大切さを浮き彫りにしています。認知症・認知機能リスク低減のための一指標になることでしょう。

(監修:医療法人誠医会 宮川病院 内科 宮川めぐみ/2019年8月12日)

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