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口内炎とは違うふくらみ 粘液のう胞とは

できやすい口内の炎症

口の中のできものといえば真っ先に口内炎を思い浮かべるかもしれませんが、実は口内で起きる炎症の原因はさまざまで、その中でもウイルス感染などによる口内炎以外でよく起きるのが「粘液のう胞(粘膜のう胞ともいう)」です。原因や症状、治療法は?

◆「粘液のう胞」は、口腔内の粘膜にゼリー状の粘液がつまったふくらみができる病気です。下唇や頬(ほお)の内側の粘膜や舌下部にできることが多く、ウイルス性の口内炎では飲食でしみたり、痛みを伴ったり、赤くなったりしますが、粘液のう胞は、通常では痛みがほとんどなく、色も粘膜とほぼ同じで、周囲には異変が見られません。

◆平均的な大きさは5〜15ミリ程度の場合が多いですが、ふくらみはつぶれやすく、つぶれては再発を繰り返しているうちに大きく硬めになることもあります。原因がウイルス感染とわかっている場合を除けば、口内にできたふくらみはまず粘液のう胞ではないかと疑われるのが一般的です。

◆口の中の粘膜は、常に唾液で潤っています。粘膜にはこの唾液を分泌する小唾液腺(しょうだえきせん)という器官がたくさん散っていて、作られた唾液は導管を通って出てきます。この導管がなんらかの理由で詰まると唾液が排出できず、小唾液腺内に溜まってふくらみます。これが粘液のう胞です。

◆なぜ小唾液腺の導管が詰まるのかは、はっきりしていません。しかし、粘膜を誤って噛んでしまった、歯ブラシや硬い食べ物、矯正器具などで粘膜が傷ついた、といったことが原因なのではないかと考えられています。

◆のう胞は薄く、しばしば破れます。小さい場合はそのまま治ることもありますが、再び粘液が溜まり再発することも少なくありません。良性ではあるのですが、再発を繰り返すうちに、のう胞が大きくなって自然治癒が難しくなります。小さな子どもでは、無意識に触ったり、噛んだりしてなかなか治らないことも多いようです。

◆治療は、できてから間もない時や2〜3ミリと小さい場合はまず経過観察をします。3〜6か月で自然に消えることもあるからです。治らないのう胞に対しては、注射器でゼリー状の粘液を排出する方法があります。しかし、粘液を抜き取っても再発を繰り返すこともあり、状態によっては手術も選択肢になります。

◆手術は部分麻酔が基本で、のう胞の組織と、原因となっている小唾液腺を切除します。5ミリ程度までなら、炭酸レーザーでとることもでき、縫合する必要もありません。術後は数日、引きつれるような感じがするなど違和感があることもありますが、予後は良好なことがほとんどです。

◆食事は手術の傷が治るまで(抜糸が終わるまで)は、刺激のあるものは避けて、柔らかいものにしましょう。歯ブラシも当たらないように注意して。頬や唇をかむ癖のある子どもは、別の場所にのう胞ができることもあります。そうした習慣をつけないように気をつけることが大切です。

(監修:松下歯科医院院長 松下和夫/2019年8月27日)

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