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平熱が下がった!? 加齢による体温の傾向

平熱は年齢とともに変わる

自分の平熱が何℃か正確に把握していますか? 10・20代のころの平熱を覚え込んでいると、実際とかなりズレているかもしれません。一般的に、加齢により平熱は低くなり、具合が悪いときにもあまり熱が高くならない場合があります。シニアに向かうと体温や熱の出方にどのような変化が現れるのでしょうか。

◆日本人の健康なときの体温(平熱)は、乳児期には平均37℃台ですが、年齢とともに下がっていき、10歳頃には平均36〜37℃くらいで落ち着きます。個人差はありますが、成人後ほぼ一定に推移していたのが、高齢期になってくると平熱はさらに低下します。

◆脇の下で測った平熱の平均として、10〜50歳では36.89±0.34℃という報告があり、65歳以上では36.66±0.42℃という報告があります。高齢者では0.2℃以上低くなっており、65歳をすぎると、平熱が35℃台という人も少なくありません。

◆人の体の中で熱を産生するのは、筋肉と肝臓です。筋肉は体を動かすためにブドウ糖をエネルギーに変換するとき、肝臓は摂取した栄養素を代謝するときに熱を作り出します。
このため運動や食事のあとには体温が上昇します。

◆筋肉や肝臓で作り出された熱は、血液を介して全身に運ばれ、生命活動の原動力となります。このとき、体が熱くなりすぎないように皮膚の表面から熱を放散します。それによって、体温はほぼ一定に保たれています。

◆では、なぜ高齢になると平熱が低くなるのでしょうか。

◆高齢者の体温低下の主な原因は、基礎代謝と体温調節機能の低下です。基礎代謝とは人間が生命を維持するために最低限必要なエネルギー量のことで、何も活動していないときにも消費されています。

◆基礎代謝の高い人は、眠っている間でもエネルギーをたくさん消費して熱を作り出しているのですが、年齢とともに筋肉量が低下し、活動量も少なくなると、基礎代謝も低下します。すると、作り出される熱の量も減るため体温が低くなるのです。

◆さらに、体温調節をつかさどる脳の視床下部の働きも年齢とともに低下します。基礎代謝の低下に伴って下がった体温を、引き上げるための調節機能がうまく働かなくなってしまいます。

◆高齢者はかぜやインフルエンザを発症したときなども、あまり熱が上がらないことがあり、重症化するまで気づかずにいたり甘く見てしまったりして、受診時には肺炎に進行していた、ということがしばしばあります。

◆気温の変化に対する皮膚の感覚も鈍くなって、暑いときでも汗をかきにくく、体内の熱を逃がす力が弱くなります。このため高齢者では、炎天下に出なくても熱中症にかかりやすいのです。逆に寒いときでも体内の熱をキープする力が弱く、熱を逃がしてしまって体が冷えやすくなります。

◆大人になると、熱がありそうなとき以外は、あまり体温を測る機会がない人も多いでしょうが、自分の平熱を正確に知るためにも、ときどき体温を測るようにしましょう。家族に高齢者がいる場合には、現在の平熱を把握しておくことが大切です。

◆体温は1日の中でも、夜中や明け方は低く、午後になると高くなります。また、季節によっても変動します。朝起きてすぐ、午前、午後、夜、の各時間帯と、季節ごとに体温を測定し、それぞれの平熱を把握しておくといいでしょう。

◆最近では短時間で簡単に測れる体温計があり、脇の下だけでなく、耳や口の中などで測るものもあります。部位によって温度が異なるため、いつも同じ場所で測ることが大切です。

(監修:目黒西口クリニック院長 南雲久美子/2019年9月13日)

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