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赤ちゃんのアレルギー予防は可能?

アレルギー体質にならない薬?

「生まれてくる子どもをつらいアレルギー疾患から守りたい!」と思うのは当然の親心といえるでしょう。そのために妊娠中にできることはあるのでしょうか? 逆にやっても効果が期待できないことは? 最新の研究を含めてご紹介しましょう。

◆今や何らかのアレルギー疾患を持つ人は、国民全体の約2人に1人ともいわれています。発症は乳幼児期に多く、乳児湿疹やアトピー性皮膚炎が引き金になり、食物アレルギー、気管支ぜんそく、花粉症など、年齢を経るにしたがい、次々にアレルギー疾患を発症していくことも少なくありません。これをアレルギー・マーチといいます。

◆体には異物(アレルゲン)が入ってきたときに、抗体(IgG,IgA,IgM,IgE)を作って攻撃する免疫システムが備わっています。アレルギー疾患は、このシステムが通常は問題にならないはずの物質(食物やダニ、花粉など)に過剰反応して、特にアレルギーに関与する抗体であるIgE抗体を大量に作り出し、それが自身を攻撃することで起きる病気です。

◆IgE抗体を作りやすい体質は遺伝的に受け継がれ、それに環境などの悪化因子が加わり、発症すると考えられています。したがって、両親がアレルギー体質の場合はそうでない場合よりアレルギーになりやすいものの、必ずしも発症するとは限りません。発症予防には、悪化因子を遠ざけることが大切になります。

◆そこで、現在推奨されている予防法としては、皮膚炎を起こさないよう生後早い時期からスキンケアをする(予防効果30〜50%程度)、アレルゲンに触れにくい生活環境をつくるなどがあります。また、アトピー性皮膚炎を発症した場合は食物アレルギーにもなりやすいので、アレルギー検査を行って、医師の指導のもと卵などは6か月以降に微量を与える、あるいは危険な食品を避けるなどの対策がとられています。

◆いずれも生まれてからの対策であるため、アレルギー体質の方が妊娠した場合、妊娠中からアレルゲンになりやすい食物(卵や牛乳、小麦など)を控えたほうがよいのではないかと考えがちのようです。しかし、今のところ妊娠中の除去食が赤ちゃんのアレルギーを防ぐという医学的、科学的な根拠はありません。赤ちゃんの健全な発育のためにも、妊娠中は栄養バランスのよい食事をとることが大事です。

◆では、生まれる前のアレルギー予防はできないのか?というと、最近、注目される研究結果が報告されました。国立成育医療研究センターを中心とした研究グループが、妊娠中に特殊な薬(抗IgE抗体)を投与することで、赤ちゃんがアレルギー体質にならずに済む方法を発見したと発表したのです。

◆アレルギー体質とはIgE をたくさん作りだす体質を指しています。研究チームは、胎児や乳児期にのみ現れるIgEを産生する特殊な「mIgE陽性B細胞」に注目。抗IgE抗体の薬剤がこの細胞の表面にあるIgEに結びつくと細胞が自滅し、その結果IgEが作られずに済み、アレルギー体質にならないことを発見しました。

◆現在はまだ動物実験の段階ですが、妊娠中の母マウスに抗IgE抗体を投与すると、胎児マウスの体内でIgEは増えず、大人になっても継続してアレルギーは発症しなかったといいます。

◆研究班では今後、ヒトによる実証実験を経て、数年以内の実用化を目指しているとのこと。これが実現すれば近い将来、アレルギー疾患は根本から克服されることになるかもしれません。

◆いずれにしても、一時的な流行的情報に惑わされず育児をすることも重要です。

(監修:はくらく耳鼻咽喉科・アレルギー科クリニック院長 生井明浩/2019年9月25日)

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