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つらいめまいに 自宅でできる治療が保険適用

メニエール病の治療の選択肢が広がった

つらいめまいを伴うメニエール病の治療のひとつである「中耳加圧治療」が、新しく保険適用となりました。これまで国内では未承認でしたが、海外では効果が確認されて治療実績のある治療法です。重いめまいに悩む患者さんに治療法の選択肢が増えることになりました。

◆耳の奥には、内耳という部分があります。内耳には、聴覚を司る蝸牛(かぎゅう)と平衡感覚を司る半規管などがあり、その内部は外リンパ液と内リンパ液で満たされています。それぞれのリンパ液は成分が違い、とくに内リンパ液は、体のリンパ液とはその組成が大きく異なります。メニエール病は、ストレスなど何らかの理由で、内耳の内リンパ液が過剰になってしまい内リンパ水腫を生じることで、内耳機能に異常をきたし、めまいや耳鳴りなどの症状が現れる病気です。国内での患者数は約4万人ともいわれています。

◆治療にはめまいを抑える内服薬や点滴のほか、抗不安薬や血流改善剤、ビタミン剤などを合わせて用い、症状を抑える保存的治療を中心に、発症の背景にあるとされているストレス、疲労、睡眠不足などを解消できるような、日常生活の見直しが重要とされています。

◆しかし、めまい症状が重く、内服や点滴などの保存的治療では改善がみられないケースもあり、その場合、リンパ液を排出させる通路をつくる手術や、前庭という平衡感覚に関連する部分の機能を壊すことでめまいを止める手術などが行われます。

◆手術を受けることでめまいは改善されますが、一方で手術法により聴力が低下する恐れもあり、手術をためらう患者さんも少なくありません。

◆このような重症のめまいに対して注目されているのが「中耳加圧治療」です。中耳加圧治療は、装置によって耳の中耳部分に圧力波を送り、中耳内のリンパ液を押し出してめまい症状の改善を図る治療法です。保存的治療と手術の中間に位置づけられます。

◆これまでは保険適用外でしたが、2018年より保険適用治療に認められ、より多くの患者さんが治療を受けやすくなりました。中耳加圧治療は投薬治療と生活指導による治療を続けても、治療効果の上がらないケースなど、メニエール病診療ガイドラインに基づく重症度でステージ4に分類される症例などに対して、適用されます。

◆使用方法は、圧力波をつくる装置につながったイヤホンを耳に入れることで治療します。耳鼻咽喉科の専門医の指導を受けたあと、装置を持ち帰って在宅での治療が可能です。1回3分を1日2回行います。そして、月に1度は受診して治療の効果を確認します。

◆治療中はめまいのレベル、自覚的苦痛度、日常の活動レベルについて、5段階で評価した日誌をつけます。そして外来受診時に提出し、治療効果の評価を受けながら、原則1年間続けます。

◆この治療法の適用になるかどうかは、かかりつけの耳鼻咽喉科にたずねてください。保険適用となったことで治療を受けられる医療機関も徐々に増えています。今後も患者数の増加が予想される病気なので、保険内治療の選択肢が増えたことは朗報といえるでしょう。

(監修:はくらく耳鼻咽喉科・アレルギー科クリニック院長 生井明浩/2019年11月15日)

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