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うつ病に磁気刺激治療 新たに保険適用に

脳内を活性化

うつ病の治療を長く続けても、なかなか改善されずにつらい思いをしている人も少なくないようです。そんなケースに対して、まったく違った方向からの治療法が承認され、健康保険の適用となりました。どんな治療法なのでしょうか。

◆磁気刺激治療(TMS治療)は、アメリカで開発され、2008年にうつ病の治療機器として米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けています。その後10年間で約6万人のうつ病患者への治療が行われてきました。

◆具体的な治療の方法は、まず歯科医院の椅子のような装置に座って、頭部に磁気コイルをあてます。頭部に装着したトリートメントキットから前頭前野の一部(左背外側前頭前野)に磁気刺激を与え、脳内を活性化させます。

◆麻酔は行わず、意識がある状態で行います。軽く頭を叩かれるような刺激があるものの、痛みなどはありません。1回の治療にかかる時間は約40分。週に5回、20〜30回程度実施します。健康保険では、6週間を限度として合計30回まで適用されます。軽症の場合は適用されないなど、いくつかの条件がありますので、事前確認が必要です。

◆正常な脳とうつ病を発症している脳では、血流や代謝に大きな違いがあります。磁気刺激治療は、磁気による刺激を与えて血流を改善させることで神経伝達物質の放出を促し、脳を活性化しようというものです。

◆TMSの治療中、頭や顔などに痛みや不快感を覚えることがあります。しかし、抗うつ剤と違って、全身に影響が及ぶような副作用がほとんどないことが最大のメリットともされています。

◆健康保険を使ったTMS治療が受けられるのは、精神科で専門医が常にいる医療機関に限られます。また、TMS治療装置を使った治療を保険診療で行う場合、日本精神神経学会が行う実施者講習会と機器の販売メーカーが実施する実技講習会を受講することなど、医療機関に対しても厳しい条件があります。

◆うつ病の治療は、これまで抗うつ剤を中心とした薬物療法と認知行動療法などの精神療法を併用することが基本とされてきました。新たにTMSという負担の少ない治療の選択肢が増えたことは、なかなか症状が改善されなかった人たちにとって朗報といえるでしょう。

(監修:横浜労災病院 勤労者メンタルヘルスセンター長 山本晴義/2019年11月20日)

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