ふけの悩み タイプ別に効果的な対処を
乾性ふけ? 脂性ふけ?
ふけに悩む人は少なくありません。ふけにはカサカサした乾性ふけと、ベトベトした脂性ふけがあり、それぞれの原因に合わせた効果的な頭皮ケアの方法があります。シャンプー剤の選び方や、ケアの方法について紹介します。
◆ふけの正体は、頭皮の新陳代謝によって脱落した角質物質。頭皮も皮膚の一部なので、顔や体の皮膚と同じように約1カ月周期で新陳代謝(ターンオーバー)を繰り返し、このときはがれ落ちる古い角質がふけです。したがって、だれにでもふけは発生しているのですが、頭皮が健康な状態であれば見えないぐらいに小さく、シャンプーするときに洗い流されてしまうため、通常、気になることはありません。
◆しかし、湿疹などの炎症が起きたり、頭皮の皮脂量のバランスが崩れると、新陳代謝のリズムが乱れて、角質のはがれ落ちるペースが速まったり、大量のふけが発生したりするのです。これがふけ症です。個人差はありますが、多くはかゆみを伴います。原因には、炎症のほかに、頭皮の乾燥と皮脂の過剰分泌があり、それぞれ発生するふけのタイプが異なります。
◆頭皮の乾燥による「乾性ふけ」は、パラパラと落ちる細かいふけが特徴で、頭皮を触ると皮脂不足のためにカサカサしているのがわかります。シャンプーのしすぎで起こりやすく、洗浄力の強いシャンプーを使用していればなおさらです。皮膚のバリア機能が低下し、かゆみも生じやすくなります。
◆一方、皮脂の過剰分泌による「脂性ふけ」は、ベトベトとした大きめのふけが特徴で、それが頭皮や毛髪に張り付いたりすることもあります。男性に比較的多く見られ、脂漏性皮膚炎の初期症状(または軽症)と診断されることがほとんどといわれます。
*尋常性乾癬や脂漏性皮膚炎などの炎症があると、皮膚の代謝が速まり、粃糠様鱗屑が多くなります。
◆脂漏性皮膚炎は、皮脂腺の多い部分に発生する炎症です。皮脂が多い部分(眉間、鼻の両わき、耳の後ろ、前胸部、背部中央など)には、皮脂を栄養源とする真菌の一種、マラセチア菌が常在しています。頭皮もその一つで、適度な皮脂は皮膚表面をコーティング(皮脂膜)して、マラセチア菌とともに、殺菌や有害物質の侵入を防ぐ役割をしています。
◆しかし、ストレスや睡眠不足、偏った食生活などにより皮脂が過剰に分泌されると、マラセチア菌が異常に繁殖し、皮脂を分解するときに脂肪酸を大量発生させます。これが酸化されて皮膚を刺激し、ターンオーバーを速め、頭皮の場合は大量の脂性ふけを発生させるというわけです。
◆ふけ症の改善には、日頃のシャンプーを見直しましょう。両タイプのふけに共通するシャンプー剤選びのポイントは、@頭皮ケア用を選ぶ、A石油系の界面活性剤を含むものは皮脂を落としすぎる傾向があるのでアミノ酸系を選ぶ、です。マラセチア菌の増殖を抑えるミコナゾール硝酸塩や、抗酸化・抗菌成分のピロクトンオラミンなどの薬用成分を含むシャンプー剤を試してみるのもよいでしょう。
◆なお、シャンプーをするときは、指の腹でやさしくマッサージするように洗いましょう。シャンプーブラシを使用するなら、ソフトなものが安心です。頭皮にやさしく当て、小刻みに動かして使います。決してゴシゴシこすってはいけません。正しく使えば、毛穴の皮脂の除去、頭皮の血行促進に役立ちますが、あまり長時間続けると、かえって頭皮に負担をかける場合もあるので、頭皮の状態を見ながら使用しましょう。
◆ふけは、不潔だから起きるものではなく皮膚の状況で生じます。まずは、皮膚の状態を回復させることが大切です。長く悩んでいる場合は、一人であれこれ試すよりも皮膚科医に相談して、適切な指導を受けたほうが解決の早道です。
(監修:関東中央病院 皮膚科特別顧問 日野治子/2019年11月21日)
◆ふけの正体は、頭皮の新陳代謝によって脱落した角質物質。頭皮も皮膚の一部なので、顔や体の皮膚と同じように約1カ月周期で新陳代謝(ターンオーバー)を繰り返し、このときはがれ落ちる古い角質がふけです。したがって、だれにでもふけは発生しているのですが、頭皮が健康な状態であれば見えないぐらいに小さく、シャンプーするときに洗い流されてしまうため、通常、気になることはありません。
◆しかし、湿疹などの炎症が起きたり、頭皮の皮脂量のバランスが崩れると、新陳代謝のリズムが乱れて、角質のはがれ落ちるペースが速まったり、大量のふけが発生したりするのです。これがふけ症です。個人差はありますが、多くはかゆみを伴います。原因には、炎症のほかに、頭皮の乾燥と皮脂の過剰分泌があり、それぞれ発生するふけのタイプが異なります。
◆頭皮の乾燥による「乾性ふけ」は、パラパラと落ちる細かいふけが特徴で、頭皮を触ると皮脂不足のためにカサカサしているのがわかります。シャンプーのしすぎで起こりやすく、洗浄力の強いシャンプーを使用していればなおさらです。皮膚のバリア機能が低下し、かゆみも生じやすくなります。
◆一方、皮脂の過剰分泌による「脂性ふけ」は、ベトベトとした大きめのふけが特徴で、それが頭皮や毛髪に張り付いたりすることもあります。男性に比較的多く見られ、脂漏性皮膚炎の初期症状(または軽症)と診断されることがほとんどといわれます。
*尋常性乾癬や脂漏性皮膚炎などの炎症があると、皮膚の代謝が速まり、粃糠様鱗屑が多くなります。
◆脂漏性皮膚炎は、皮脂腺の多い部分に発生する炎症です。皮脂が多い部分(眉間、鼻の両わき、耳の後ろ、前胸部、背部中央など)には、皮脂を栄養源とする真菌の一種、マラセチア菌が常在しています。頭皮もその一つで、適度な皮脂は皮膚表面をコーティング(皮脂膜)して、マラセチア菌とともに、殺菌や有害物質の侵入を防ぐ役割をしています。
◆しかし、ストレスや睡眠不足、偏った食生活などにより皮脂が過剰に分泌されると、マラセチア菌が異常に繁殖し、皮脂を分解するときに脂肪酸を大量発生させます。これが酸化されて皮膚を刺激し、ターンオーバーを速め、頭皮の場合は大量の脂性ふけを発生させるというわけです。
◆ふけ症の改善には、日頃のシャンプーを見直しましょう。両タイプのふけに共通するシャンプー剤選びのポイントは、@頭皮ケア用を選ぶ、A石油系の界面活性剤を含むものは皮脂を落としすぎる傾向があるのでアミノ酸系を選ぶ、です。マラセチア菌の増殖を抑えるミコナゾール硝酸塩や、抗酸化・抗菌成分のピロクトンオラミンなどの薬用成分を含むシャンプー剤を試してみるのもよいでしょう。
◆なお、シャンプーをするときは、指の腹でやさしくマッサージするように洗いましょう。シャンプーブラシを使用するなら、ソフトなものが安心です。頭皮にやさしく当て、小刻みに動かして使います。決してゴシゴシこすってはいけません。正しく使えば、毛穴の皮脂の除去、頭皮の血行促進に役立ちますが、あまり長時間続けると、かえって頭皮に負担をかける場合もあるので、頭皮の状態を見ながら使用しましょう。
◆ふけは、不潔だから起きるものではなく皮膚の状況で生じます。まずは、皮膚の状態を回復させることが大切です。長く悩んでいる場合は、一人であれこれ試すよりも皮膚科医に相談して、適切な指導を受けたほうが解決の早道です。
(監修:関東中央病院 皮膚科特別顧問 日野治子/2019年11月21日)
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