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薬で腎臓が弱る? 薬剤性腎障害

服薬中の薬をチェック!

治療のために使っている薬が原因で、腎臓に障害が起こることを「薬剤性腎障害」といいます。抗菌薬や鎮痛薬のNSAIDsなども原因薬物になり得るといいます。どんな薬にそのリスクがあるか、どんな場合に腎障害を疑うべきかなどを、説明しましょう。

◆服用した薬は、胃を通過し腸で吸収され、肝臓で分解し、必要な成分は血管を通って患部へ届けられます。最終的には、腎臓を通って主に尿で排泄されますが、一部、便や汗、涙、唾液、呼気中に排泄されるものもあります。

◆高齢になったり病気のために腎機能が低下していると、特定の薬の投与によって腎臓に負担がかかり、新たに腎障害を発生してしまうことがあります。これを「薬剤性腎障害」と呼んでいます。

◆薬剤性腎障害が起こるのは、おもに次の4つの機序とされています。▼薬剤が直接腎機能にダメージを与える「中毒性腎障害」、▼自己免疫やアレルギー反応が関与する「急性間質性腎炎(過敏性腎障害)」、▼薬が原因で電解質異常や腎臓の血流減少が起こり、症状が現れる「間接毒性腎障害」、▼薬によって尿路に結晶や結石ができる「尿路閉塞性腎障害」。

◆たとえば、鎮痛や解熱に使う非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)は、腎臓の血流を減少させ障害を起こすことがあります。また、血液中の電解質異常をきたすリスクもあるなど、複数の機序で腎臓に影響を与えます。腎機能が低下している高齢者などは、とくに注意して使用することが必要です。

◆抗菌薬のなかには、急性尿細管壊死を引き起こし、急性腎不全をまねくもの(アミノグ
リコシド系抗菌薬)や、アレルギー性の急性尿細管間質性腎炎を起こすリスクがある薬剤(ペニシリン系の抗菌薬)があります。

◆また、造影CTや血管造影検査などに用いられる造影剤がもとで発症する薬剤性腎障害もあります。そのほか、抗リウマチ薬、免疫抑制薬、抗甲状腺薬など、さまざまな薬が腎機能に影響するリスクがあります。

◆高齢者については、高血圧や糖尿病、腰痛や不眠など、多くの症状や疾患を抱えて、多種類の薬を服用していることも少なくありません。この多剤併用によって腎臓への負担が大きくなり、腎機能の低下を招いて腎障害が起きやすくなることも考えられます。

◆薬剤性腎障害では、食欲不振、倦怠感、吐き気、発熱、下痢、むくみ、尿の量が減るなどの症状が現れます。急性の場合は症状も強く、急激に悪化することもあります。治療は、原因となった薬物の中止あるいは減量を行い、そのうえで発症機序や症状に合わせた治療を行います。

◆また、もともと慢性腎臓病(CKD)などがあって腎機能が低下していた人に起こりやすいとされます。日本は成人の8人に1人がCKDの患者と考えられています。CKDの初期には自覚症状が現れないため、治療を中断したり、生活習慣の改善を怠りがちですので注意しましょう。

◆新しい薬を飲んだとき、薬の種類や服用量・服用法を変えたときなどに、上述のような症状が現れたら、すぐに医師に相談してください。日ごろから腎臓に負担をかけすぎないよう、睡眠や食事の習慣を改善し、過労やストレスをためないよう、気をつけましょう。

(監修:医療法人誠医会 宮川病院 内科 宮川めぐみ/2019年12月18日)

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