モバイルサイト「ケータイ家庭の医学」はこちら!
https://sp.kateinoigaku.ne.jp/

リンゴ型と洋ナシ型 肥満タイプ別病気のリスクとは?

乳がんリスクとの関係も?

肥満は病気の温床。肥満には、「リンゴ型(内臓脂肪型)」と「洋ナシ型(皮下脂肪型)」があります。それぞれどんな病気にかかりやすいのでしょうか。どんな方法で減量すればよいのでしょうか。

◆肥満には、内臓のまわり(とくに腸の周囲の腸間膜)に脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満」と、下腹、おしり、太ももなどの皮下に脂肪がつく「皮下脂肪型肥満」があります。それぞれ見た目の印象から、おなかだけポッコリ出る内臓脂肪型は「リンゴ型肥満」、下半身に脂肪がつく皮下脂肪型は「洋ナシ型肥満」とも呼ばれています。

◆一般に、男性に多いのがリンゴ型、女性に多いのが洋ナシ型といわれますが、女性も閉経後は内臓脂肪がたまりやすくなるため、リンゴ型が増加します。洋ナシ型の皮下脂肪は自分でつまめ、外見からも脂肪がついているのがわかりますが、リンゴ型の内臓脂肪は腹部CTで断面像を見ないと脂肪がついているかどうかわからず(通常は腹囲で判断)、一見肥満に見えない人もいます。

◆リンゴ、洋ナシというとかわいらしく聞こえますが、リンゴ型肥満の人はメタボリックシンドロームの可能性大。内臓脂肪型肥満(腹囲:男性85p以上、女性90p以上)に加え、高血糖、高血圧、脂質異常のうち2つ以上に該当すれば、メタボが確定します。動脈硬化による脳卒中・心筋梗塞などの血管系疾患、糖尿病や痛風などの生活習慣病のほか、飲酒習慣の有無にかかわらずかかる、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)のリスクが高まります。

◆リンゴ型肥満が生活習慣病のハイリスクになる理由には、アディポサイトカイン(脂肪細胞から分泌される生理活性物質の総称)の分泌異常が深く関係しています。アディポサイトカインには、傷ついた血管を修復する、インスリンの働きを高める、血圧を低下させるなど、動脈硬化を防ぐさまざまな作用があります。内臓脂肪がたまると、このアディポサイトカインの分泌が減少しますので、動脈硬化が進み、生活習慣病のさまざまな症状が現れるのです。

◆洋ナシ型肥満は、リンゴ型肥満のように、生活習慣病に直結することはないといわれていますが、月経異常など女性ホルモンが関係する婦人科系疾患や、気道周辺に脂肪がつくことによる睡眠時無呼吸症候群、体重増加による腰・ひざ・股関節などの関節疾患のリスクが高まります。メタボの条件に該当していなくても、肥満の指標であるBMI(体格指数=体重s÷身長m÷身長m)が25以上の人は要注意です。

◆また脂肪細胞は、女性ホルモンのエストロゲンの前駆体をエストロゲンに変える働きももっています。そのため、脂肪が減りすぎる(やせすぎる)とエストロゲンが不足し、無月経の原因になります。逆に、脂肪が増えすぎて体内のエストロゲンが過剰になると、月経異常や排卵異常などのリスクになると考えられています。

◆気になるのは、肥満が乳がんの発症にも関係することです。エストロゲン増加の影響を受ける乳がんの発症リスクは、BMIが大きくなるほど高くなるという、国立がん研究センターの研究結果が報告されています。とくに閉経前の乳がん発症リスクは、BMI 30以上の人ではBMI 23〜25の人の2.25倍になるとも。

◆これらの病気を予防するためにも肥満改善は急務といえます。しかし、食事制限だけで減量するとリバウンドしやすく、筋肉量も減らしてしまうため、必ず食事療法と運動療法の両輪で行うのが鉄則です。食事は脂質・糖質のとりすぎに注意し、腹八分を守ることが基本。欠食や遅い時間帯の夕食を避けることも重要です。

◆また、脂肪を分解・燃焼するには、強度の低い運動を一定時間以上(1回30分くらい)毎日行うのが望ましく、最低でも週3回は続けるとよいでしょう。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動に加えて、エネルギーの消費量を上げるために、筋トレを取り入れ、代謝の要となる筋肉量を増やすと太りにくい体になります。


(監修:医療法人誠医会 宮川病院 内科 宮川めぐみ/2019年12月23日)

気になる身体の症状を
◆チェック◆
症状チェック 食事記録 お薬検索 病気検索

『家庭の医学』

1969年の発行以来、
累計約330万部の
ロングセラーの最新版

総監修:聖路加国際病院院長
福井次矢

信頼の『家庭の医学』最新版を
iPhoneアプリにギュッと凝縮!


外出先でのアクシデントの際にも活躍!


はい、いいえで答えるだけで、気に
なる症状の対処方法がわかる!

あなたの隣にある危機

糖尿病網膜症

早期受診で失明を防ぐ
著:右田 雅義(右田眼科 院長)
東海林 のり子(リポーター)
定価1,836円(本体1,700円)

在米日本人のための必携医療マニュアル

アメリカでお医者さんにかかるときの本

異国の地で、英語で、受診する不安を軽減
著:あめいろぐ(在米日本人医療従事者による情報発信サイト)
監修:メイヨークリニック 予防医学フェロー 反田篤志
定価3,000円(本体2,778円)

手術以後のすごし方

心臓病そのあとに・・・

心臓手術以後のQOL向上のための生活ガイド
著:高知大学病院 心臓血管外科 教授 渡橋和政
定価1,296円(本体1,200円)