モバイルサイト「ケータイ家庭の医学」はこちら!
https://sp.kateinoigaku.ne.jp/

大気汚染と死亡率の関係は?

世界652都市のデータを分析!

世界24カ国652都市の大気汚染と死亡率の関係について調査した国際共同研究によると、PM2.5などの粒子状物質の汚染濃度が上昇すると、全死因の死亡率も上昇することがわかりました。大気汚染の影響は誰にとっても避けがたいテーマです。

◆大気汚染が、気管支炎やぜんそくなどの呼吸器疾患やアレルギー疾患の発症に関連することは従来から知られる事実。とくに怖いのが、工場や焼却炉、自動車、航空機、船舶などが排出するばい煙や粉じん、硫黄酸化物などの微小粒子状物質(PM2.5)です。吸い込むと肺まで達して沈着し、肺がんの原因になったり、気管や肺の損傷や炎症を招いたりします。

◆粒子状物質の炎症作用は全身性なので、呼吸器だけにとどまらず心臓や血管にも悪影響を及ぼすといわれます。しかしながら、これらの因果関係を示すために被験者にPM2.5を吸引させるわけにはいかないので、実証するのはむずかしいとされていました。

◆2019年8月、大気汚染と疾患との関連を裏づける国際共同研究の結果が、英国の『New England Journal of Medicine』誌に発表されました。この研究では、大気汚染に関するデータ(1986〜2015年)を有する世界24カ国の652都市(日本を含む東アジア、ヨーロッパ、北米地域が多い)をピックアップし、各国の地方自治体から疾患別死亡率のデータを入手。粒子状物質の大気汚染濃度と死因別死亡率を突き合わせて、評価が行われました(ガス状汚染物質を補正して調整)。

◆その研究報告によると、粒径10µm以下の浮遊粒子状物質(PM10)の1m³あたりの大気汚染濃度(当日と前日2日間の平均値)が10%上昇すると、1日あたりの全死因死亡率が0.44%上昇、心臓病や脳卒中などの心血管系疾患死亡率は0.36%、呼吸器系疾患死亡率は0.47%上昇したということです。

◆また、粒径2.5µm以下の微小粒子状物質(PM2.5)濃度が同様に上昇した場合の1日当たりの死亡率の上昇は全死因で0.68%、心血管系で0.55%、呼吸器系で0.74%でした。

◆1%に満たない死亡率の上昇ですが、この研究結果は世界規模の症例数と国際共同データに基づいていることを踏まえると、集団レベルでの明らかなリスクが懸念されます。研究者たちは、政策として具体的な大気汚染対策を講じる必要があると述べました。ちなみに、日本では、工場などのばい煙規制、自動車の排ガス規制などの環境基準によって、PM2.5濃度は年々減少傾向にあります。

◆また、東アジア地域の良好な大気環境を守るために毎年、「大気汚染に関する日中韓三カ国政策対話」が開催され、情報共有と技術的な意見交換など、連携した取り組みが進められているといいます。

◆なお、PM2.5の汚染濃度には、気候変動や地域差もあることから、環境省では “そらまめ君”を提供、PM2.5など大気汚染物質の濃度の速報値を公開し、汚染濃度が上昇しているときは、マスク着用、不要不急の外出を避けるなどの予防策を呼び掛けています。

(監修:東京医科大学病院 総合診療科准教授 原田芳巳/2020年2月5日)

気になる身体の症状を
◆チェック◆
症状チェック 食事記録 お薬検索 病気検索

『家庭の医学』

1969年の発行以来、
累計約330万部の
ロングセラーの最新版

総監修:聖路加国際病院院長
福井次矢

信頼の『家庭の医学』最新版を
iPhoneアプリにギュッと凝縮!


外出先でのアクシデントの際にも活躍!


はい、いいえで答えるだけで、気に
なる症状の対処方法がわかる!

あなたの隣にある危機

糖尿病網膜症

早期受診で失明を防ぐ
著:右田 雅義(右田眼科 院長)
東海林 のり子(リポーター)
定価1,836円(本体1,700円)

在米日本人のための必携医療マニュアル

アメリカでお医者さんにかかるときの本

異国の地で、英語で、受診する不安を軽減
著:あめいろぐ(在米日本人医療従事者による情報発信サイト)
監修:メイヨークリニック 予防医学フェロー 反田篤志
定価3,000円(本体2,778円)

手術以後のすごし方

心臓病そのあとに・・・

心臓手術以後のQOL向上のための生活ガイド
著:高知大学病院 心臓血管外科 教授 渡橋和政
定価1,296円(本体1,200円)