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世界初!バイオ3Dプリンターで人工血管 ヒトに移植

実用化は2025年が目標!

佐賀大学医学部は民間の再生医療ベンチャー企業と共同で、患者本人の細胞からバイオ3Dプリンターでつくった人工血管を移植する臨床研究を始めたと発表。3Dプリンターから細胞のみでつくられた人工血管をヒトに移植するのは世界初だといいます。透析を必要とする末期腎不全患者を対象に、移植が始まる見込みです。

◆2019年11月、佐賀大学医学部と民間の再生医療ベンチャー企業は、「独自に開発しバイオ3Dプリンターを用いて作製した細胞製人工血管を、世界ではじめてヒトへ移植する臨床研究を開始する」と発表しました。

◆慢性腎不全などを患い、血液透析療法が必要となった場合、動静脈内シャント(透析の際に血液量を確保するために動脈と静脈を連結した血管)を手術によって作製します。多くの場合は片腕の手首からひじまでのあたりで血管を連結します。

◆動静脈内シャントの作製には、患者自身の血管を用いるのが一般的です。しかし、血管が細い、もろいなど、それが困難な場合には、合成繊維や樹脂などでつくられた人工血管が使用されます。ただし、従来の人工血管には感染しやすい、詰まりやすいなどの問題点がありました。

◆今回の臨床研究では、血液透析療法が必要な患者自身から皮膚組織(約1cm×3cm)を採取し、専用のクリーンルームで培養。独自開発したバイオ3Dプリンターでチューブ状に加工し、長さ約5cm、内径約5mmの細胞製人工血管を作製します。

◆患者自身の細胞のみでつくられた人工血管は、生体の血管に近く安全性が高いため、これをシャントとして移植することで、これまで人工血管の問題点とされてきた感染しやすさ、詰まりやすさなどが改善され、バスキュラーアクセスのトラブルによる患者の苦痛を軽減することにつながると期待されています。

◆バイオ3Dプリンターそのものは珍しくはなく、世界中で多くの企業や研究グループが開発していますが、立体構造体を作製するにはポリマーやハイドロゲルなどの生体材料を混ぜるのが一般的で、細胞のみで強度のあるチューブ状の構造体をつくるのは困難とされていました。

◆佐賀大学の研究グループは、細胞だけで外科的操作にも耐えられる強度をもった立体構造体を作製できるバイオ3Dプリンターを開発し、それを使って人工血管を作製します。同大学の発表では、このような機能があるプリンターは、「当研究グループが開発した装置のみ」(発表時点)としています。

◆この細胞製人工血管は、強度や安全性、患者への移植に適しているかが十分に検討されたうえで、早ければ2020年にも血液透析療法を受ける末期腎不全患者に移植され、安全性や効果が確認されます。2025年を目標とした実用化が期待されています。

(監修:東京医科大学病院 総合診療科准教授 原田芳巳/2020年4月23日)

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