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統合失調症と双極性障害に共通する脳の特徴

こころの病気の脳の特徴を調べる

気分が落ち込んだり、ハイになったり、幻聴がしたり…さまざまな症状があらわれる精神疾患は、目に見えない「こころの病気」といわれます。しかし実際は「脳の病気」でもあり、近年は脳の画像検査を用いた客観的な診断法に役立つ研究が進められています。どんなことがわかってきたのでしょうか。

◆国立精神・神経医療研究センター(NCNP)らの研究グループは、全国12の研究機関から、統合失調症696例、双極性障害211例、自閉スペクトラム症126例、うつ病398例、健常者1506例の合計2937例のMRI拡散強調画像データを収集、大脳白質微小構造についての大規模な解析を行いました。

◆MRI拡散強調画像はMRIの一種で、水分子の拡散運動を画像化することによって、大脳白質での神経線維の走行の乱れなどを鋭く検出することができます。

◆大脳白質とは、脳の中で神経細胞(ニューロン)の神経線維が集まった領域で、その表面は神経細胞がある大脳灰白質で覆われています。大脳白質では、神経線維(軸索)は「髄鞘(ずいしょう)」と呼ばれるさやで保護されています。「白質」と呼ばれるのは、このさやに脂質が多く含まれ、白くうつるためです。

◆先にあげた4つの精神疾患の人の脳の画像を解析した結果、統合失調症と双極性障害の大脳白質領域の異常は似たような特徴をもち、自閉スペクトラム症とうつ病でみられる異常は非常に軽く、健常者に近いことがわかりました。

◆通常、精神疾患の診断は、本人や家族からの入念な問診をもとに行いますが、4つの疾患はそれぞれ特徴的な症状はあるものの、抑うつや意欲の低下など似たような症状もあるため区別がつきにくく、正確な診断まで時間がかかりがちです。

◆また、診断が違ってしまうと治療法も異なるため、期待どおりの治療効果が得られなくなってしまいます。間違った診断を受けて違う薬を服用してしまうと、症状が改善するまでに回り道をすることになり、本人や周囲の家族にとっても大きな損失になります。

◆画像診断など客観的な指標で精神疾患の診断ができるようになれば、より正確な診断がスピーディーにできるようになり、いち早く適切な治療に結びつけることができます。また、新たな治療法の開発につながったり、治療効果のチェックができたりするようになるかもしれません。

◆今回の研究成果は、今後、精神疾患を客観的に診断するための指標をつくる一助になるものと期待されています。ほかにも、うつ病の場合の脳の特徴を調べる研究なども進んでおり、こうした客観的な診断法が確立、普及されていけば、医師によって診断結果が異なるということも防げますし、医師、患者の双方にプラスになるのではないでしょうか。

(監修:横浜労災病院 勤労者メンタルヘルスセンター長 山本晴義/2020年5月8日)

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