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チャイルド・デス・レビュー 20年度からモデル事業

子どもの死を減らすために

子どもが減っているといわれながらも、痛ましい子どもの死亡記事があとを絶ちません。そこで全死亡事例を統計的に集約・検討する制度「チャイルド・デス・レビュー(CDR)」が始まろうとしています。どんな制度なのでしょうか。

◆「チャイルド・デス・レビュー(CDR)」とは、未来に向かうはずの子どもの命が消えてしまったときに、各方面の専門家が協力して、なぜ亡くなったのか、死因を調査・検証するシステムです。CDRは「予防できる子どもの死」を減らすことを目的としており、なぜ未然に防ぐことができなかったのか、防ぐ可能性があるとしたらどうすればよいかを突きつめて、施策や法整備などに活かしていこうとするものです。

◆これまでも遊具などによる事故や子どもの身の回りの危険について調べたり、虐待死や突然死などについて個別に検討され施策に活かされた例はあります。しかしCDRの対象になるのは、病気や災害、事故、事件、自死など、すべての子どもの死であり、福祉関係者、医師、警察、消防、行政など複数の機関や専門家により、死亡した経緯、養育状況、家族背景などが多角的に検討されます。

◆子どもを亡くしたとき、親が悲嘆にくれ、後悔にさいなまれることも少なくありません。一人ひとりの大切な子どもの死をムダにすることなく、将来の社会に教訓を残していくという意味では、親へのグリーフケアの役割も担っている側面があります。実際に英国などでは、遺族へのケアを第一義的に考えているそうです。

◆CDRは、米国や英国など多くの先進国ではすでに法制化されています。日本でも2010〜2012年、厚労省科学研究班が「子どもの死亡予防のためのチャイルド・デス・レビュー創設のためのガイドライン」を示し、日本小児科学会に「子どもの死亡登録検証委員会」が設置され、東京都、群馬県、京都府、北九州でパイロットスタディが行われました。

◆2016年にまとめられたこのパイロットスタディの結果報告によると、予防可能だとされた死亡例は全体の27.4%と高い数字が示されました。原因別では、虐待・ネグレクトが死亡にかかわったとされるのは全体の7.3%にのぼり、「不詳死」の再検証では46例中41例が、真の原因不明死とするには疑いがある、と指摘されました。

◆注目されるのは、予防可能だとされた死亡例のうち63.2%が予防するための施策が有効とされたことです。これを受けて2017年の「児童福祉法」改正に伴い、「虐待死の防止に資するよう、あらゆる子どもの死亡事例について死因を究明するCDRの導入を検討すること」という付帯決議がなされました。

◆厚生労働省ではすでにプロジェクトチームを立ち上げ、具体的なデータ収集の方法や検証方法を検討しており、2020年度から全国5地域でモデル事業を始めると発表しました。22年度までには全国への導入をめざすといいます。

◆日本の新生児・乳児は低い死亡率を維持していますが、一方、1〜4歳児については、不慮の事故が多い、小児の救急医療体制が不足、そして虐待やネグレクトの増加といった課題があり、さらに10代では自死も少なくありません。CDRの導入により、子どもの命を奪う根本的な原因の解消が期待されるところです。

(監修:医療法人社団秀志会 松平小児科院長 松平隆光/2020年5月25日)

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