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夏を安全に 熱中症対策

「気持ちがわるい」は熱中症かも

熱中症と聞くと、真夏の要注意疾患と思いがちですが、実は6月ごろから増えることがわかっています。暑さに体が慣れていなかったり、温暖化の影響で夏前でも猛暑日が増えたり、と本格的な夏になる前から注意が必要です。また、室内での発症も多発していますので、室内環境もチェックを!

◆熱中症の症状として多いのが頭痛、吐き気、全身の倦怠感などのほか、汗が異常に出たり、逆に汗がまったく出なくなったりすることもあります。体温が上昇するために顔が赤くほてるといった症状もみられます。

◆このほか、筋肉痛や脚がつる、筋肉がけいれんすることもあります。重度になると、めまいや立ちくらみなどで動けなくなる、ぐったりして呼びかけに反応できないなどの意識障害があらわれたりします。重度の場合は、一刻も早く処置しなければなりません。

◆とりわけ高齢者の場合は、皮膚温度を感知する能力などが低下し暑さを感じにくくなるうえに、症状があっても自覚しにくくなっています。さらに、体内の水分量の割合が減少しているうえ、発汗による体温調節機能も低下しているため、同じ環境下でも若年層に比べて熱中症にかかりやすいことがわかっています。周囲が気をつけて異変を見逃さないことが大切です。

◆幼い子どもの場合も、体に起きている異常をうまく表現できないことが多いので、周囲の大人が注意を払う必要があります。気持ちがわるい、おなかが痛いという訴えや、急に元気がなくなる、ひどく汗をかいている、顔が真っ赤になっている、などのときは熱中症かもしれません。ぐったりして目の焦点が合っていない場合などは注意が必要です。

◆発症リスクを高める環境として気をつけたいのが室内の温度と湿度です。救急要請の発生した場所で最も多いのは住宅等居住地で、全体の約4割を占めます。居室や寝室は冷房を使って室温、湿度を適切に保つこと。浴室や洗面所、トイレなどは熱気がこもりやすいので、窓を開けたり、換気扇を使いましょう。

◆冷房を嫌う高齢者も少なくありませんが、設定温度や風向きを調節するなど本人が嫌がらない工夫をして、冷房で適温を保ちましょう。高齢者の部屋には必ず温湿度計を置き、日に何度かチェックして、家族などが配慮することが重要です。

◆こまめな水分補給を心がけるのはいうまでもありません。一度にたくさん飲むのではなく、ちょこちょこと小分けに水分をとりましょう。高齢者はのどの渇きを感じにくくなってくるので、のどが乾いていなくても意識してとることが必要です。トイレを気にして飲むのを控える人もいますが、夏はトイレの回数よりも水分補給が優先です。

◆1日3回の食事時に加えて、起床時、昼前、午後のティータイム、夕方、お風呂上がりなど、少量でも水分を口に含む習慣をつけるとよいでしょう。水分補給という意味では、実は緑茶やコーヒーなどは利尿作用があるので最適とはいえず、水や補水液などがよいのですが、まずは本人が飲みやすく糖分の少ないものをこまめにとることが大切です。

◆また、ビールなどのアルコール飲料は、やはり強い利尿作用やアルコールの代謝作用があるので体内の水分補給にはなりません。アルコールを飲むときや飲んだあとは、水や補水液、ミネラルを含む麦茶などを飲むようにしましょう。

◆夏にスポーツをする際には、吸湿性や通気性のある素材を着用しましょう。帽子やタオル、紫外線遮断素材のウェア、サングラスなどで直射日光を避け、高温・高湿時は屋外や冷房のない室内でのスポーツはさけてください。運動量やその日の気温などにもよりますが、20〜30分に1回程度は休憩をはさみ、水分補給をすることも大切です。

◆熱中症を発症しやすい年代として、男女ともに多いのが0〜4歳の乳幼児と、80〜84歳の高齢者という調査報告があります。加えて男性では15〜19歳(高校生の部活動など)と55〜59歳にもピークがあるといいます。

◆別の調査では、女性に比べて男性は熱中症にならない自信がある、と答える割合がすべての年代で多いことが報告されており、熱中症対策を行っているかどうかについても、女性に比べて男性は低かったという報告もあります。自分は大丈夫という思い込みは危険です。

◆今年はとくに、マスクの着用が熱中症のリスクを高める場合もありますので、人の少ない屋外では外す、蒸れにくい素材のものを選ぶなど、十分に注意しましょう。

◆すべての人が夏を安全に過ごせるよう、屋外活動時はもちろんのこと室内で過ごすときも、熱中症の予防を心がけ、対策を習慣づけましょう。

(監修:目黒西口クリニック院長 南雲久美子/2020年6月30日)

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