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夏の気温の高さは心臓に負担増 水分補給で脱水予防

暑さで死亡率が上がる!?

夏の暑さによる健康トラブルというと、熱中症を思い浮かべますが、そのほか、内臓など体の組織にも負担をかけています。心臓もその例外ではありません。いったいどのような影響があるのでしょうか。暑さから循環器系を守るためにできることとは?

◆そもそも夏の気温の高さは、心臓に負担をかけます。体温も上昇するために、血液循環を促進して熱を発散させようと、心臓はいつにも増して活発に働きます。心拍数の増加は、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患を悪化させたり、不整脈を誘発したりするリスクを高めます。

◆汗をかくなどして脱水になると、心臓や循環器系に負担を与えます。脱水は体内の水分が不足した状態で、血液の循環量が少なくなると、血管が収縮して血液の粘度が高くなります。そうなるとサラサラと流れる血液ではなく、ドロドロと重たい血液となり、血栓をつくりやすくなってしまいます。結果として、脳梗塞などの脳血管障害や虚血性心疾患を起こすリスクが高くなります。

◆狭心症や心不全など心臓に持病がある人では、影響はさらに大きくなります。また、日ごろの治療薬として、降圧薬でもあるナトリウム排泄型の利尿薬などを用いている場合は、発汗の影響で心臓病の悪化を起こしやすく、脱水状態に陥りやすいことがわかっています。

◆心房細動という不整脈を指摘されている人では、脳塞栓症のリスクが高まります。心房細動では心臓の左心房に不整脈が発生して血液によどみができ、血栓をつくりやすい状態になっています。左心房でできた血栓は大動脈から脳動脈を通って脳に流れ、脳血管を詰まらせて脳塞栓症を引き起こすことがあるからです。

◆血液の粘度が増すことで、動脈硬化が促進され、高血圧、糖尿病などの悪化も招きます。気温が1度上がると、心筋梗塞や心不全、糖尿病などの持病がある高齢者の死亡率が2.8〜4%上がるというアメリカの大学の研究発表もあります。

◆では、どのようにして夏の暑さから心臓などの循環器系を守ればよいのでしょうか。最も気をつけなくてはいけないのが、脱水に陥らないようにすることです。

◆暑い時季はこまめに水分をとりましょう。汗とともに塩分も失われるので経口補水液がおすすめです。一気に飲むのではなく、「まだのどが渇いていない」と思う段階で、少しずつとるのがポイントです。一日三食の食事時のほかに、少なくとも起床後、朝食後の午前中、昼食後の午後、夕方、入浴後などには水分をとる習慣をつけたいものです。

◆スポーツドリンクなどミネラルを含んだものは、脱水症状を改善するために有効な場合もあります。しかし糖分も多く含まれているため、日常的に飲むことはすすめられません。糖分が多い飲みものは急激に血糖値を上げるだけでなく、血管を硬くして動脈硬化を招きやすいことがわかっています。

◆日ごろから、心不全などで水分調整、高血圧や腎臓病などで塩分管理などをしている人は、真夏になる前に、かかりつけ医とよく相談して、暑さ対策を立てておきましょう。

◆また、気温と湿度の調節も重要です。気温が22℃以上になると心臓への影響があらわれはじめ、27℃以上かつ湿度が70%以上になると、リスクが高まるとされています。エアコンの設定は室温27〜28℃を目安に、湿度もときどきチェックして、50%前後を保つとよいでしょう。

◆とくに高齢者では、加齢で暑さやのどの渇きを感じにくくなって、容易に脱水症に陥ってしまいます。酷暑の時間帯はできる限り外出を避け、周囲の人が早めの水分補給を促してあげるように配慮しましょう。

(監修:東京医科大学病院 総合診療科准教授 原田芳巳/2020年7月2日)

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