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「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」とは?

食事+運動が引き金に!

一般的に食物アレルギーはアレルゲンの摂取後、2時間程度で症状があらわれますが、なかには、特定の条件下でのみ症状があらわれるものがあり、食事+運動・入浴で発症するケースがあります。「食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)」といい、それまで食物アレルギーがあることに気づいていない人に突然起きて、重篤な事態に至ることもあるため、注意が必要です。

◆食物アレルギーの多くは、アレルゲンとなる食物摂取後、2時間以内にアレルギー症状があらわれるのが一般的です。しかし、食後はアレルギー症状が出ていないのに、それから数時間以内に運動や入浴をしたことをきっかけに症状があらわれるものもあります。それが「食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)」です。

◆全身のじんましん、むくみ、せき込み、呼吸困難などの症状が突然あらわれ、急速に進行します。FDEIAの約半数が血圧低下によるショック状態に陥るとされています。10〜20代の男性に多く、中学生の6000人に1人の発症率といわれます。

◆原因として、運動や入浴によって血流がよくなり、腸管からの食べ物の吸収が促進されることが考えられています。また、患者の全身状態(過労、睡眠不足、かぜなどにかかっている)、ストレス、気象状況(高温、寒冷、花粉の飛散時期など)、薬剤の摂取(鎮痛薬など)、アルコール摂取、月経前なども症状の誘因となりうるとされています。

◆原因となる食物は、小麦粉と甲殻類(エビ、カニなど)が多くみられます。そのほか、野菜類や果物での発症報告が増加傾向にあります。運動の種類は、球技やランニングなど、比較的負荷の大きなものが誘因となりますが、なかには散歩などの運動負荷が低いものによる発症も報告されています。

◆給食のあとの体育や部活、朝食後の朝練習、スポーツ大会の昼食休憩後などは注意が必要です。運動中にじんましんなどがあらわれたら、すぐに運動を中止してヒスタミンH1受容体拮抗薬などの処方薬を服用します。そしてためらわずに救急車で病院に搬送してもらいましょう。呼吸器症状が強い場合や意識障害、血圧低下などがあらわれ、アドレナリン自己注射(エピペン)を処方されているなら救急車を待つ間に注射をおこないます。

◆FDEIAを起こさないためには、何よりもまず、アレルゲンとなる食物を摂取しないことです。FDEIAの原因アレルゲンを含む食事をしてしまった場合は、食後、最低でも2時間は運動や入浴をしないようにします。かぜや過労などで体調が万全でないときや、鎮痛薬やアルコールを摂取したときには、運動を控えるようにしましょう。また、原因食物の完全除去や過剰な運動制限など不適切な指導により、患者のQOL(生活の質)を損なわないよう注意することも大切です。

◆また、それまでアレルゲンとして特定されていない食物が原因になるケースや、FDEIAの形ではじめてアレルギー反応が出るケースもあります。一度反応が起きれば、それまでアレルギーがなかった、自覚していなかった人でも再発する可能性があります。FDEIAが治まったら、アレルギー科専門医などでくわしい検査を受けて、アレルゲンとなる食物を特定しておきましょう。

◆そのうえで、もしも気がつかないうちに摂取し、その後に運動してしまうなどでアレルギー反応が起きたときの薬の常備、対策などを、本人、家族だけでなく、学校の教員などと情報共有し、すばやく適切な処置ができるように備えておくことをおすすめします。

(監修:はくらく耳鼻咽喉科・アレルギー科クリニック院長 生井明浩/2020年7月28日)

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