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後期高齢者の質問票 フレイル健診がスタート

寝たきりを予防するために

フレイルとは加齢によって心身が衰えてくる状態のことで、高齢になるほど増加し、要介護の原因となります。もっとも大切なのは予防と早期発見です。新たにスタートしたフレイル健診の内容を知っておき、高齢の家族の健康維持に役立てましょう。

◆2020年4月から、75歳以上の後期高齢者を対象とした「フレイル健診」が始まりました。フレイルとは、高齢者が要介護状態に陥る前段階の心身の活動性が低下した状態のこと。かつては「老衰」といわれてきた、さまざまな加齢現象の兆候をとらえる項目がそろった質問票として策定されています。

◆これまで後期高齢者医療制度の健診は、制度が発足した当時から、40歳から74歳が対象の特定健診と同様で、質問票も標準的なものでした。特定健診は、「メタボ健診」とも呼ばれる、おもに生活習慣病を防ぐメタボリックシンドローム対策に着目したもので、フレイルなど高齢者の特性を把握する質問項目などは設定されていませんでした。

◆中高年世代では、食べすぎや肥満など生活習慣の改善が重要でしたが、さらに高齢になると、粗食により衰弱してしまったり、筋力の衰えから活動量が低下してしまったりする人が増えてくるため、別の角度からのチェックが必要になってきます。

◆フレイルをチェックするための後期高齢者への質問票は、運動や食生活の習慣、もの忘れの有無など15項目で、運動能力や栄養状態、ソーシャルサポートの有無などを把握します。

◆具体的には、「1日3食きちんと食べていますか」「半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか」「お茶や汁物などでむせることはありますか」「6カ月間で2〜3s以上の体重減少がありましたか」「以前に比べて歩く速度が遅くなってきたと思いますか」「今日が何月何日かわからないときがありますか」「ふだんから家族や友人とつき合いがありますか」「体調が悪いときに身近に相談できる人がいますか」などです。

◆回答内容は国保データベースに収載され、高齢者に必要な保健事業などに反映、連動して、地域で高齢者の健康を支える取り組みに活かしていく方針です。

◆将来フレイルになる可能性が高いのは、一日中ほとんど座ったままで体を動かさず、食事は適当に済ませる、という生活が続いている人。独居の男性が多いですが、女性でも子どもの独立や配偶者の死をきっかけに食事をつくる意欲をなくし、自分の食生活がおろそかになってしまったり、引きこもりがちになったりする人も少なくないことが問題になっています。 

◆2016年度の「国民生活基礎調査」で、すでに要介護の原因は1位が認知症、2位が脳梗塞などの脳血管障害、3位がフレイルで、転倒・骨折よりも多くなっていました。年齢別にみると、要介護の原因のうちフレイルの占める割合が70代後半から急激に増加。80代後半になると断然1位です。

◆団塊の世代が75歳の後期高齢者に突入すると、介護施設も介護職員も大幅に不足することが予測されているため、日本老年医学会などが早くからフレイル対策の必要性を訴えてきました。今後フレイル健診がおこなわれることで、早期発見、予防が進むものと期待されています。

◆フレイルはある日突然陥るものではなく、年単位でジワジワと進んでいくもの。気がついたときには、後戻りできなくなっているという状況を防ぐために、中高年のうちから予防を意識した生活習慣を身につけたいものです。

◆毎日の生活でこまめに立ち歩くこと(料理、食事の盛りつけや片づけ、買い物、ゴミの分別、日用品の管理、洗濯、掃除、衣服やリネンの出し入れ、電化製品など生活用具の管理・メンテナンス、家計管理その他を可能な限りおこなう)、無理のない体操や運動を続ける、自分の好きな趣味や活動を通じた人との交流の時間をもつ、食事を楽しむ、などは予防のために大切な要素といえるでしょう。人まかせにせず、自分から動いていきましょう。

(監修:目黒西口クリニック院長 南雲久美子/2020年7月31日)

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